第14話

京市に戻った後、私は淳と一緒に家を買った。

川の隣に。

最も美しい夜景を見ることができる。

以前のことはもう私を悩ませないと思っていた。

まさか夜にスーパーから帰ってきた時に、ある人が来た。

私は淳を先に中に入れた。

三年間会ってないうち、綾は昔のような高慢でわがままな姿が消えてしまった。

私を見た瞬間、彼女の眉間にはまだ嫌悪の表情が残っていた。

でも偽装ができるようになった。

「何か用ですか？」

私は淡々と尋ねた。

「彼は君の？」

私は頷いた。

「じゃ私の兄さんは？君は彼を何だと思った？本当に身代わりなのか？」

私はため息をついた。

彼女に尋ねる「あなたはどう思いますか？」

「彼たちは似ていますか？」

綾は私の質問に困惑し、じっくり考えた。

「見た目は似ていないけれど、よく見ないとわからない」

私は彼女の言葉を受け取った。

「顔だけではなく、性格は全く違います」

「私の夫は気性が良く、誰に対しても温和で礼儀正しいです。彼が人に腹を立てることはほとんどありません。彼の感情の変動はほぼ私に関するものです」

私は一瞬ためらった。

「そして、あなたの兄、祐介はとても気まぐれです。彼が悲しいときは、周りの人を巻き込んでいろんなことをするんですが、その時私がいなかったら彼今どうなっていますか想像できないです。でも正直、私は淳さんを私の夫として扱ったことはありません」

「最初からそう思っていなかった」

綾はひと安心したようだ。

彼は慎重に私に尋ねた。

「じゃあ兄さんとは……」

私は断固として拒否した。

「不可能です」

彼女の顔には一瞬の落胆が見えた。

「彼に会ってもらえないか？」

「あの日、空港であなたに偶然出会ってから、彼は自分自身を寝室に閉じ込め、会社にも行かず、自殺するつもりのような様子を見せていた」

「彼は今、体が非常に弱っている。あなたが去ってから、彼は自分自身も大切にしなくなった」

「考えてみます」

離れる前に、私は彼女にマフラーを手渡した。

「これは私が自分で織ったものです。外は寒いから、凍らないようにしてくださいね」

彼女は少しの躊躇いの後に、受け取った。

「兄さんのことじゃなければ、邪魔したくなかった」

「あと前のことはごめんなさい」