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第18話

山口直規が死刑にされる日、俺は田舎から駆けつけた妻と共に娘の墓の前に座っていた。

今回は、イチゴケーキを持ってきた。

写真の中の娘を見つめながら、俺はついに涙が溢れて止まらなかった。

復讐を果たしたわけではなく、彼女への尽きることのない後悔があった。

視界がぼやける中で、俺は写真の中で笑っている麗ちゃんと目が合った。

麗ちゃんがいつも言っていたことを思い出した。

「パパは俺のヒーロー」

でも俺は違う。

自分の娘すら守れない父親が、何がヒーローだ?

麗ちゃん、ごめんね、パパは……

麗ちゃん、パパは本当に会いたかったよ......
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