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第7話

俺がついに殺意を抱いたその時、警察が遅れて到着した。

俺たち4人が互いに顔を腫らしているのを見て、全員を警察署に連行した。

数日と経たないうちに、俺はまたもや彼らと一緒に留置所行きだ。当時の警官も現れて、ため息交じりに言った。

「菊川さん、娘のことは本当に大きなショックだったろうけど、先に手を出したのは……」

話の途中で、俺は準備していた診断書をテーブルに投げた。

警官は訳が分からずにそれを開き、書かれている内容を確認すると薄っすら笑みを浮かべた。

最後に大きく手を振って、「解放!」

精神病の診断書を使って警察署を出た太郎たち3人は、俺が無傷で出てくるのを見て頭をかしげていた。

しかし、警察署内では手を出せないため、「覚えてろよ」と捨て台詞を残して足早に去った。

怪我だらけで帰宅すると、妻は驚きの表情を浮かべた。

俺は心の痛みを押し殺し、麗ちゃんの映像を見たことを彼女には伝えなかった。

怪我の手当てを終えた後、俺たちは無言で麗ちゃんの写真を見つめ、またしても心が遠くへ飛んでいった。

麗ちゃんは高校2年生で、ちょうど思春期の反抗期を迎えていた。

彼女が連れ去られる前、俺たちは大喧嘩をしていた。

彼女は、俺と妻が仕事に夢中で、彼女の誕生日を忘れたと非難していた。

俺は怒って、彼女を叱り返した。

口論の末、俺たちは互いにドアを乱暴に閉めた。

俺は自分の言葉に後悔し、翌日には彼女の大好きなイチゴケーキを買った。

だが、彼女に謝る前に、彼女が行方不明になったという知らせが届いた。

今となっては、何を言おうとも娘はこの世にいない。

このことを思い出すたびに、俺は後悔に苛まれる。

すべて俺のせいだ。怒りをぶつけるべきではなかったし、麗ちゃんにもっと自分を守ることを教えるべきだった。
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