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第11話

1月3日、夜11時を過ぎても街は賑やかだった。

冷たい風が服の中に吹き込み、私は震えが止まらなかった。

私は林晶を古い工場の近くに呼び出し、私一人だけが来ることを何度も念を押した。

彼がスリルを好むなら、徹底的にスリルを味わわせてやる。

彼は私を見た時も警戒を解かなかった。

しかし、優しい言葉と従順な態度に、次第に油断し始めた。

彼は目を細め、だらしない表情で言った。

「歌音、なぜ俺がお前にこだわるのか分かるか?」

「こういう言うことを聞くお前が好きなんだ」

「もうお前が俺に逆らわなければ、二度と殴ったりしない」

彼の手が私の腰に這い上がり、顔を胸に埋めて、貪るように匂いを嗅いだ。

やがて、彼の手から力が抜け、ずるずると滑り落ちた。

私は立ち上がり、突然口を開いて笑い出した。

男の体が横に傾き、重々しく倒れ込んだ。

彼のまぶたが震え、口から不明瞭な言葉が漏れた。

「お前......俺に何をした?」

私は足を上げて彼の頭を蹴った。

「何って?薬を盛ったのかって聞きたいの?」

私は地面から石を拾い上げ、手の中でゆっくりと転がした。

「あなたが私にしたことと同じよ。吸入型の麻酔薬、覚えてる?」

「あなたの薬を盗んだのよ」

この薬は一時的に神経を麻痺させ、体は動かせないが意識ははっきりしていて、何が起きているか分かる。

彼の額の血管が浮き上がり、目も赤くなった。

そんな状態でも罵り続けた。

「この売女!殺してやる!」

「なんでお前を殺さなかったんだ?」

私は手を上げ、石で彼のこめかみを激しく殴りつけた。

力が強すぎて、瞬時に血が噴き出した。

「自分の状況をよく見てから物を言ったら?」

「私が売女?じゃああなたは何?クズ?畜生?」

林晶は苦しそうに叫び、唾液が口角から地面に落ちた。

「お前......」

私は再び石を持ち上げた。その石の端には彼の血がついていた。

彼は瞬時に叫び声を上げた。

「もう殴らないで、頼む、今までは俺が悪かった。許してくれ!」

彼は怒りを抑えながら、切望するような目で私を見た。

「約束する。今回俺を許してくれれば、二度とお前を邪魔したりしない」

私は笑った。

「あなたみたいな人間は、永遠に自分が間違っていたことに気づかないわ」

「あなたを放せば、出て行った途端に私への復讐を考
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