第13話

彼が黙っていた。義母はため息をついた。「本気で箐美とやり直したいなら、彼女を見つけて帰ってこい。これからは彼女とちゃんと暮しなさい」

宗真は目をキョロキョロさせながら、顔を上げて義母に尋ねた。「箐美はまだ僕を許して、僕と一緒に暮らしてくれるかな？」

私は首を振った。もちろん、依奈が使った中古品なんて、全然いらない。

義母は彼の背中を叩いて怒った。「試さなきゃ、彼女がどう思っているかわからないでしょう？」

私は頷いた。「そうだよ、試さなきゃわからないよ！」

宗真は素早く立ち上がり、外套を掴んで飛び出していった。私も急いで後を追った。

車の中で、彼が電話をかけ、コネを頼み、あちこちにお金を使って私の行方を探しているのを見ていた。そして、最後に山の小高い場所で私の墓を見つけた。

彼は信じられないように、村長の腕を掴んで「これが彼女とお前の共謀じゃないか？」と聞いていた。

村長は怒って彼を押しのけ、「お前は病気か？誰が自分の命をかけて冗談を言うか！お前が誰だと思ってるんだ？桜井先生と一緒にお前を騙すほどの価値があると思ってるのか！」と罵った。

村長はそのまま立ち去り、「こんな神経質な奴を連れてくるなんて、桜井先生の安らぎを乱してしまった。どうか桜井先生が天国で私を恨まないでくれますように」とつぶやいていた。

私は村長に言いたかった。「彼を連れてこなくても、宗真は自分で来るから、気にしないでください」

きっと私は木陰に立っていなかったせいで、太陽の光が目に刺さったのだろう。

そうでなければ、宗真の涙が一滴一滴と地面に落ちるなんて見間違えたはずだ。彼は本当に私のために泣いているのだろうか？だって、彼は私を愛していないはずなのに！

次の瞬間、彼が膝をついて私の墓前にひざまずいているのを見て、驚いて思わず墓から飛び出したくなった。

彼は私の墓石を撫でながら、「箐美、お願いだから死なないで。君に会いたい」と泣きながら言った。

「後悔している。依奈のために君を失うべきじゃなかった。

君さえ戻ってくれば、誓うよ。これからは他の女性を一切見ないし、手を繋ぐこともない。君とだけずっと一緒にいるから。

戻ってきてくれるな！」

彼は泣きながら叫んでいて、その深い愛情と切ない声に、思わず涙が出そうだった。

でも、彼は馬鹿なのか？

人はもう死んでいて、体は腐り