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第6話

放課後、彼を教室に残して一緒に宿題をして、1時間かけて補習をしてあげた。

週末はビデオ通話で宿題をちゃんとやっているか監督。

宗真は文句を言いながらも、笑顔で「俺、やっぱ同席の君の言うことが好きなんだよね!」って、ちょっと調子乗った感じ。

その努力は確実に結果を出した。中間試験では、宗真の全科目が60点以上になった。

彼は大喜びで飛び跳ね、私を抱きしめながら、「うわ、俺の神様!学校に入って初めて全部の科目で合格したんだよ!」と叫んだ。

「何かプレゼント欲しい?それとも彩苑に飯でも食べに行く?あそこの料理、めっちゃうまいんだよ!

この成績表を親父に見せつけたら、きっとあいつらの目が眩むぜ、ははは!」

......

宗真が喜びの声をあげ続けている中、私は顔を赤らめながら彼の腕からそっと抜け出した。

席に戻って、右手で胸を軽く押さえて、心臓の鼓動が少しでも落ち着くように願った。

次の日の放課後、校門に宗真の両親が現れ、「彩苑に食事に行こう」と言われた時、私は全く状況が理解できず、彼らに連れられて車に乗ってからようやく実感が湧いてきた。

隣の宗真をつつき、声を潜めて「なんでご両親はご馳走してくれるの?」と聞いた。

宗真はにやっと笑って、「もちろん、俺が初めて試験に合格したのは君のおかげだからだよ」と答えた。

食事の時に、宗真のお母さんが私の手を握り、「こんなに可愛くて成績もいい娘さんがうちのお嫁さんになってくれたらいいのに!」と笑顔で言った。

恥ずかしくて顔を伏せた瞬間、宗真が顔を赤らめているのが見えた。

もしかして、彼も私のことが好きなのかも?

現実に戻り、自分を嘲笑した。結局、宗真の母親の願いは叶って私は彼の嫁になったけど、あの時赤くなっていた彼は今や私を嫌っている。

でも彼を捨てたのは桜井依奈で、彼を無理やり私と結婚させたのは彼の両親だ。私は何も悪くないのに。

もし私に過ちがあったとすれば、それは彼を10年以上も一途に愛し続けてしまったことだろう。

結婚して最初の数年間、私は本気で、彼を感動させて依奈の代わりに彼の心の中で一番大切な存在になれると信じていた。

彼の母親から、彼が家政婦の新井おばさんの料理が好きだと聞いて、毎日仕事の後に実家へ行き、新井おばさんと一緒に台所にこもって料理を学んだ。

何度も指を切ったり、食材を無駄に
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