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第18章

布地を一枚隔てているのに、腰の肌は熱くてたまらなかった。

まるで悪霊に取り憑かれたように、動くけなかった。しかし、思考は冴えていた。「ははっきり話したはずだ。カープルの間にいることは望まないって」

「ごめんなさい」と男が私の背中に額を押し付け、もぐもぐと言った。

許したかったか。

もちろんそうだった。

誰もが数年間の感情を簡単に消すことはできなかった。

彼に、もう一度チャンスを与えたいと思っていた。

しかし、この期間に起こったいろいろなことが、私の頭の中で叫び続けていた。

彼を選ぶか、それとも自分を選ぶのか。

私はため息をつきいた。「江川宏、あなたはいつも間違いを知っているのに、次回も犯す。それは何の意味もない」

今回は、自分を選んだ。

彼を選んで七年も経って、十分だった。

江川宏は長い間黙っていて、何も言わなかった。

「手を離して、ここまでしか行かないから」かつての私には想像もできなかった。江川宏とこんな冷たい言葉を言えるなんて。

片思いとは、自分だけの壮大な犠牲だった。

相手の一つの視線、または指で勧められるだけで、すぐに行ってしまった。

何日も興奮しすぎていた。

心の中に花が咲くようだった。

そして、将来のある日、離れることを考えるなんて、どうして想像できなかっただろう。

自分がどうやって離れたのか覚えていなかった。海絵マンションに戻っても、まだ少し心が落ち着かなかった。

幸いにも妊娠反応があったので、ベッドに横になると寝てしまった。

私に考える時間を与えなかった。

翌日、ドアベルの音で起こされた。

河崎来依以外、誰も私が引っ越したことを知らなかった。

しかし、河崎来依はパスワードを知っていて、直接入ってくることができる。

おそらく、誰かが階層を間違えたのだろう。

私は布団で頭を覆い、引き続き寝ていたいと思った。週末に自由に眠ることができないのは嫌だった。

しかし、外の人は辛抱強くて、ドアベルは止まることなく鳴り続けた。

仕方がなく、イライラしてドアを開けることにした。

ドアを開けると、江川宏はドアを立ちはだかって、黒い瞳で私を深く見つめた。

「ここに住むつもり?」

「じゃないとどうする?」

昨夜、彼に十分にはっきりと話したと自負していた。

離婚を提案して以来、江川宏は平和の仮面を取り払ったよう
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