第4話

転んでしまい、物がさらに散らばった。

慶太が私の襟首をつかんだ瞬間、ビリッという音がして、私の服はボロ布になってしまった。

昨日から着ていた服で、3年間放置されていたせいか、軽く引っ張っただけでボロボロになってしまった。

「佐藤さん、自重してください」私は服を押さえながら、少し不快な口調で言った。幸い背中だけが破れただけだった。

しかし、これが私の唯一の服だった。新しい服を買う暇もなかったのに、これではどうやって外出すればいいのだろう。

だが慶太の関心は私の背中の傷にあった。「背中はどうしたんだ？」

「言うことを聞かなかったので、先生に叩かれたんです」まるで他人事のように淡々と言った。

「自業自得だな」慶太はそう言い捨てて去っていった。

私は目の端で背中を確認した。新旧の傷跡が無数に広がっていた。

鞭で打たれたものだ。

最新の傷跡は数日前につけられたものだろう。具体的な日付は覚えていない。

傷はまだ完全に癒えていなかった。

クローゼットから服を取り出した。ほこりだらけだったが、払って迷わず着た。

しばらくすると、背中の傷跡のあたりがかゆくなってきた。

感染したかもしれない。

服を買いに出かけようとしたとき、慶太が戻ってきた。

なぜまた来たのだろう？私を笑いものにするためか？

彼は手に持っていた服を私に投げ、着るように言った。

私は断った。彼には恋人がいるはずだ。他の女性に服を買うのは良くないだろう。

いや、3年経っているから、もう妻になっているかもしれない。

でも、それは私には関係のないことだ。

慶太は私を引っ張って家の中に入れた。

私はおとなしく椅子に座った。

慶太はアルコールと薬用酒で私の背中を拭いてくれた。

少し痛かったが、声を出さなかった。

この程度の痛みなど何でもない。

これの何百倍、何千倍もの痛みを経験してきたのだから。

「なぜこの傷が腰にあるんだ？」慶太が私の腰を指差した。その傷跡は特に醜かった。

腰というより、腎臓のあたりだった。

私は首を振って、わからないと示した。

「じゃあ、なぜ彼らはお前を叩いたんだ？」慶太が私の服を下ろしながら尋ねた。

私はもう新しい服に着替えていた。

「言うことを聞かなかったからです」彼が信じないと思ったのか、付け加えた。「でも安心してください。今はとてもおとなしくなりましたから」

「なぜ言うことを聞かなかったんだ？」望む答えが得られなかったのか、彼はさらに追及した。

「食事の時にご飯粒を一つこぼして、先生に見つかったんです」今の私はとてもおとなしく見えるはずだ。

慶太は眉をひそめて黙っていた。私は戸惑いながら彼を一瞥したが、何を考えているのかわからなかった。

しばらくして、彼はゆっくりと口を開いた。

「背中以外にも叩かれたのか？」

私は首を振って、ないと示した。

実際は背中を叩かれたのではなく、私が体を丸めたため、彼らは背中しか叩けなかったのだ。

「もう遅いから、早く帰ったほうがいいですよ」私は彼と同じ空間にいたくなかった。息苑しくなってきた。

そして、気づけば夜になっていた。

「お前も言ったように遅いな。今夜はここに泊まろう」慶太は少し考えてから、そう言い放った。

......

私は朝に慶太の家で食事をしただけで、それ以来何も食べていなかった。

昼に買った野菜を取り出し、ここの竈で火を起こして適当に料理した。

幸い、祖父はあまりガスボンベを使わなかったので、食事にありつけた。

「ここはリハビリ施設じゃない。そんなに急いで食べる必要はないよ」私が黙々と食事をしていると、慶太の声が聞こえてきた。