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第3話

私はベッドに横たわり、込み上げる涙を抑えた。

「真夜中に誰と電話をしていたの?何を話していたの?」

行一はほっと息をついて、私の隣に横たわった。

「仕事の話だよ」

行一は賢くなった。私が何も尋ねる前に、自ら唐沢理沙のことを話し始めた。

「晴奈、打ち明けるよ」

彼は、最初は理沙を私と勘違いしていたが、理沙は彼に一目惚れしてしまったのだと言った。

「おそらくそれが理由で、彼女が今日、お前に敵意を持っていたんだ」

「でも、俺は男としての誠実さを守っているよ!晴奈、誓って言うけど、彼女とは絶対に何もない」

私は目を閉じ、涙が目尻から布団に染み込んでいった。

彼は私を抱きしめ、いつものように甘えた声で話しかけてきた。

「お前がどれだけ愛おしいか、知ってるよね」

過去の毎日、行一の私に対する無償の愛は、私に彼への絶対的な信頼を持たせていた。

もしあのボタンを偶然見つけなかったら、もし偶然眠れずにすべてを聞いていなかったら……

私は信じていただろう。

行一はすぐに眠りについたが、私はどうしても眠れなかった。

どれだけ時間が経ったのか分からないが、隣の彼の携帯が光ったのを感じた。

そして、行一は起きて部屋を出た。私の隣の場所は冷たく感じられた。

帰国の飛行機の中で、私の心は喜びで満ちていた。

あの時、私は思った。これで私たちはもう二度と離れない。

しかし今、私はまるで誰かに首を絞められたようで、息ができなかった。

私は慌てて息を整えるためにバルコニーへと走った。

すると、下の階で抱き合っている二人の姿を見た。

どうやら理沙は言うことをおとなしく聞く女ではないようだ。

そして、先ほどまで「もう唐沢理沙とは関わらない」と約束していた行一の顔には、叱責の表情が浮かんでいたが、嬉しそうな様子を隠しきれていなかった。

理沙はおそらく行一に甘えていたのだろう。

彼女は庭のブランコを指さし、何かを言っていたが、何を言ったのかは聞こえなかった。

行一の表情ははっきりせず、そのまま唐沢理沙を抱き上げ、大股でブランコへと向かって行った。

二人、一人が上に、一人が下に。

圧倒的な吐き気が私を襲った。

そのブランコは、行一が自分の手で作ったものだった。

この別荘のすべてのものは、行一が私たちのために自ら作り上げたものだ。

彼は「これは私たちの
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