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第85話

律子はさらにひどかった。私をまったく見ずに、進とずっと何かをひそひそと話して、私を指さして笑っている。その軽蔑のまなざしに、私は本当に腹が立った。

いざというとき、親友だと思っていた人たちが頼りにならないなんて、本当に悔しい。

みんなが私に怒っているようだけど、私は何を間違えたんだろう。誰か教えてくれないかな。

罪を犯した人でさえ、死刑にする前にはその理由を伝えるべきでしょ?私はただラブレターを渡しただけなのに、どうしてこんなにみんなを怒らせることになるの?私がいったい何を間違えたのか。

ぼんやりと席に戻って座ったけど、目の前にある美味しそうな料理が全然美味しく見えなくて、食欲もなくなってしまった。

翔太兄は無言で、ひたすらお酒を飲んでいた。その勢いはまるで牛が水を飲むかのようだった。

みんなはおとなしくなって、うつむいて食べ物をひたすら口に運んで、食卓の雰囲気は急に重苦しくて不気味なものになった。

瑛介は何度か話題を振って雰囲気を和らげようとしたけれど、翔太兄の冷たい視線に圧倒され、結局黙って食事に専念することにした。

その食事は、最後まで翔太兄が私を一度も見ないまま終わった。

翔太兄が私に怒っていることはわかっていたけど、どうして怒っているのかがまったくわからなかった。こんな風に彼が怒るのは初めてだったけれど、私は彼の何に触れたのか、どこが気に入らなかったのか。

誕生日の食事会が終わった後、本当はカラオケに行く予定だったけど、翔太兄が「眠い」と言って解散になってしまった。私はちょっと残念だった。

翔太兄のために、私は二曲も練習して、彼の誕生日に歌ってあげようと思っていたのに、結局その機会がなくなってしまった。

食事した店から学校まではあまり遠くなく、行く時は車を使わなかったので、みんなそれぞれに三々五々、歩いて帰ることになった。

大和と玲奈は店を出るとすぐに姿が見えなくなり、瑛介と進は肩を組んで仲良く歩いて、律子と悠斗は何か話し込んでいて、まるで私たちがいないかのようだった。

結局、伴がいないのは私と翔太兄だけで、私は無意識に彼のそばに行って、まるで影のように彼の一歩後ろをついて行った。

実はその夜は天気が良くて、下弦の月が星を一層明るくしていた。

私は星空を見ながら歩いていて、翔太兄にも一緒に見ようと誘った。

でも翔太兄は私を
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