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第27話

静子夫人は驚きと喜びで涙を拭い、外を見るために立ち上がった。

金の屏風を見ると、痛みを忘れてしまった。

側にいる侍女が推測した。

「殿下、皇帝が弘徽殿を出てから承香殿に行ったと聞きました。きっと皇貴妃が皇帝に良い言葉をかけたので、このようなご褒美が授けられたのでしょう。感謝の気持ちを持つべきですわ!」

静子夫人は力強く頷いた。

「そうよ、やっぱり皇貴妃姉上は本当に私に良くしてくれるわ。あの皇后とは違って!」

皇后の名前を出すと、また憎しみが湧いてきた。

この恨み、必ずや晴らさねばならない!

……

紫宸殿。

宮殿は静けさに包まれていた。

深夜。

ガサッ——

手が中から帳を払いのけ、苛立ちを伴っていた。

月光が隙間から入り込み、帳の中を照らしていた。

藤原清はそこに座り、広い袍を大きく開け、筋肉質の胸を露わにしていた。

手で額を支え、眉を不快そうに揉んでいた。

眠れない。

弘徽殿での対話を何度も思い返していた。

おかしい!

彼はその時、皇后の侍女を杖で叱るつもりだった。なぜそれが進展しなかったのか?

どの段階で、皇后に引き込まれてしまったのか?

彼女が静子夫人の家族のことを持ち出した時から、彼はその言葉に従い、彼女の家書の真偽を確認していた……最終的には、皇后が勝手に人を紫宸殿に送った事については何も触れなかった。

また、皇后が言うところの「静子夫人のために尽力する」が本当に心からなら、なぜ事前に知らせなかったのか。むしろ後から文句を言い、静子夫人を追い出した後で清原家のことを持ち出した……

このやり方は、彼を罠にはめて誤りを待っているかのように見えた。

くそ!

藤原清は起き上がり、寝台を離れた。

高野清雄は音を聞き、急いで内殿に灯を灯しに走った。

「陛下、夜中にお起きですか?」

藤原清は高野清雄を見て、その日のことを思い出した。

ドン!

彼は高野清雄を一発蹴った。

この一撃は強すぎず、内傷を負うほどではないが、いくらかの痛みをもたらすものであった。

高野清雄は立ち上がり、急いで恐怖におののきながら跪いた。

「陛下、陛下!やつがれが何か間違えたのであれば、自分で罰しますので!どうか、足を汚さないでください!」と懇願した。

藤原清が狭い目を細めた。

「皇后の言うことが正しいと思っているのか?」

「え
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