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第23話

皇帝が突然弘徽殿に訪れたことに、香子は非常に不思議に思った。

「皇帝は何をしに来たのでしょうか?」

大野は彼女の顔をまるで異国の人を目にするかのように見つめた。

「あなた、本当に知らないの?うちの陛下が昼間あれほど寵愛を求めたのに、夜になると代わりに静子夫人に夜伽させたんですよ。これじゃあ、まるで皇帝をもてあそんでいるようなものじゃないですか!

「皇帝は九五の尊ですよ!こんな侮辱を受けるわけがありません!

「陛下、早くお着替えください。私たちの命はあなたの手にかかっていますよ!」

紫琴音は「私がいつ夜伽を望んだっていうの!」と言った。

彼女は狂ったのか!

大野もまた頭が混乱した。

まさか自分が間違っていたのだろうか?

でも、そう思っていたのは自分だけじゃなかったはず!

結局、この宮で誰もが自分のために寵愛を争うのが常だが、他人のために夜伽の機会を譲るなんて、そんな馬鹿なことがあるだろうか?

事実は、大野だけが勘違いしていたわけではなかった。

夜が更ける中、眠れない妃たちは、紫宸宮で起こった出来事を聞いて、皆が驚愕した。

「何?夜伽したのが皇后陛下ではなかったの??じゃあ誰よ!」

「静子夫人?静子夫人が夜伽したって?何の権利があって!」

「はは……結局、皇帝に追い出されたなんて、静子夫人は大恥をかいたわね!」

「それだけじゃないわ。恐らく皇貴妃も彼女を容赦しないでしょうね!」

聖子妃は急いで香織妃の宮殿に駆けつけた。

二人は同じ屋根の下で、何でも話せる仲だった。

「香織お姉さま、聞いた?今夜、皇后が静子夫人に夜伽させたって」

香織妃は狐裘を身にまとい、弱々しく咳をした。

「聖子、正直なところ、私も皇后陛下がそんなことをするとは思いもしなかった。

「どうやら彼女は平等に皆が夜伽に呼ばれることを望んでいるようだわ」

宁妃は少し反対するように言った。

「お姉さま、皇后を過大評価しているわ。

「叔母上が言ったように、この宮中に寵愛を争わない女性なんて一人もいないのよ。

「皇后が私たちのために考えたり、夜伽の機会を譲るなんて、そんなことあるわけないわ。

「彼女は賢いのよ!

「自分が夜伽したくても、恐れているから
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