共有

専業主婦の逆襲
専業主婦の逆襲
著者: 小石

第1話

「ママ、なんでそんな髪型にしたの?すごくダサいよ!」

「そうだよ、ママ。短い髪なんてダサすぎる!明日の保護者会でどうするの?」

長女と長男が次々と文句を言ってくる。

末っ子はまだ小さく、言葉もうまく話せないのに、指をさして一緒に囃し立てて:「ママ……ダサい……」

目の前の懐かしい光景を見つめながら、しばらくしてようやく気づいた。私はなんと、33歳のあの年に戻っていたのだ!

専業主婦として10年、夫も子供も私を24時間無休で働く家政婦のように扱ってきた。

夫は外でうまくいかないと、その怒りをすべて私にぶつけてきた。

家事を完璧にこなすのが当たり前で、少しでもできていないことがあると、すぐに怠け者だと文句を言ってくる。

生活費をもらおうと手を伸ばすと、彼はいつも不機嫌な顔をして:

「この前あんなに渡したのに、もう使い切ったの?」

「お前は家で何もせず俺に養われてるんだ。金を稼ぐのがどれだけ大変か、分かってないだろ。俺の月収はこれくらいしかないんだ。もう少し節約して使えないのか?」

子供たちもそんな父親を見て真似をする。

「ママ、お腹すいた」「ママ、服が汚れた」「ママ、パパがスープをこぼしたのに、どうしてまだきれいにしてないの?」

家に帰ってくると、みんなまるで王様みたいに座ったり寝転んだりして、何もしようとしない。

醤油の瓶が倒れても、結局私が直さなければならない。

子供たちをちゃんと叱ろうと思ったこともあるけど、少し注意しただけで、夫がすぐに文句を10倍返しで言ってくる。

言いたいことは結局、私が専業主婦で家にいるのに、何もしてないから、全部自分でやれってこと。子供たちに指示するなんておかしいって。

でも、私が暇だと思ってるの?

毎日、長女と長男の送り迎えに最低でも往復で3時間半はかかる。

夫は、残り物は体に悪いからって、毎回新しく作れと言うし、栄養バランスを考えて『最低でも3品1汁』は用意しろって要求してくる。

そのせいで、台所にいる時間は毎日4時間近く。さらに、買い物に行って、掃除をして、家族全員の洗濯もして、末っ子の世話までしてる。

朝6時に起きてご飯を作り始めて、夜11時になってようやく寝る時間。髪を整える時間さえない。

だから、少しでも時間を節約しようと思って髪を短く切ったら、家族全員がそんな髪型じゃ恥ずかしいって文句を言ってくるんだから!

その後、夫が女の同僚と浮気したのを私が見つけたとき、子供たちはママがオシャレをしないし、見た目がダサいから、パパがママを好きじゃなくなったんだと言った。

両親は子供が3人もいるんだから、旦那も謝ったんだし、子供たちのために我慢しなさいって言った。

でも、私が年を取って子供たちの家を順番に回って暮らすようになったら、毎回、子供たちは私をまるでサッカーボールみたいに押し付け合っていた。

69歳の時、末っ子が朝早くに私を長男の家の前まで連れて行った。

その日はちょうど長男が義父の誕生日を祝うために出かけていて、一日中家は閉まっていた。

もうすぐ除夕で、大雪が降っていて、すごく寒かった。

私は末っ子に電話したけど、家に居座るんじゃないかと心配して、帰らせてくれなかった。

長女はお金持ちの家に嫁いで、夫が彼女の実家とあまり関わりを持ちたがらなかった。夫を怒らせるのが怖くて、一度だけ私を迎えたきり、それ以降は実家との連絡も絶ってしまい、正月も顔を見せなかった。

彼女に迎えに来てくれと言っても、そんなの無理だった。

夜になると、私は街で高熱が出てきた。

体調が本当に辛くて、長男に早く帰ってきてくれるよう頼んだけど、口ではすぐ帰るよと言っていた。でも、義父を喜ばせるために、彼とお嫁さんは義父の家に泊まってしまい、翌日の夜まで帰ってこなかった。

その頃には、私はすでに寒さと空腹で街頭で命を落としていた。

……

この瞬間、ソファに座って私を値踏みするような顔をしている夫と、3人の子供たちを見たら、怒りがどんどん込み上げてきた。

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status