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第6話

私は仕事に真剣に取り組み実力もあったので、会社は特例で私の実習期間を短縮し、すぐに正社員に昇格させてくれた。

指導してくれている先輩も私のことを高く評価してくれて、こう言った。「今の君の働きぶりなら、もしかしたら1年後にはデザイナーになって、自分のアシスタントを持てるかもしれないよ!」

会社では内部昇進が少なく、アシスタントは大体転職することが多い。2~3年経ってもアシスタントのままという人もいる。

そんな中1年でデザイナーになれるかもしれないと言われたことは、非常に高い評価だった。

私はとても嬉しかった。

さらに嬉しかったのは、以前は毎日3人の子供の世話をして、送迎や洗濯、料理と、単調で退屈な生活を繰り返していたこと。

家族全員を世話しなくなってから、自分の時間がこんなにもあることに気づいた。

仕事が終わった後はダンスクラスに通うこともできるし、料理をしたくなければ出前を頼むこともできる。

私の給料は自分一人を養うには十分すぎるほどで、好きなものを好きなときに食べられる。もう数円節約するために頭を悩ませる必要もない。

土日には友達がショッピングや映画鑑賞、農業体験に誘ってくれる。

元夫は毎月25,000円しか生活費をくれなかったので、食費だけで精一杯で、3人の子供たちに服を買うお金も指の間から捻り出していた。

結婚してから私自身の新しい服を買うことなんてなかった。

今回はたくさんの新しい服や靴を買った。足が痛くなるほど歩き回って疲れたけれど、心の中では久しぶりに最高の喜びと満足感を味わっていた。

やがて大型連休がやってきた。

これまでは、休みの日に外出するといえば、子供たちと一緒に親子向けの遊園地やテーマパークばかりだった。私は旅行を計画して、チケットを買い、オムツや哺乳瓶を忘れないように気を配り、食事や飲み物が安く済む方法を考える。子供たちと元夫はただ遊ぶだけだった。

今回は、両親を連れて神戸に行くことにした。

私は自分が遊びたいものを思う存分楽しみ、写真も好きなように撮ることができた。

食事の時もただ地元の名物を楽しむだけで、節約のことを考える必要もなく、子供たちに先に食べさせて、自分は最後に慌てて食べるなんてこともない。

離婚してたった3ヶ月で、みんな私の顔色が良くなったと言う。

以前は実家の近くに住んでいたのに、毎日自
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