太った男は彼を一瞥してから、素朴な木の箱をテーブルの上に置いた。箱の中には、血のような光を放つ古めかしい紅玉が入っていた。取り出した途端、皆が温かい雰囲気に包まれるような感じがした」菅原健を含む数人は、目が急に輝いた。小池紗英子は振り向いて神田に尋ねた。「神田さん、どう思いますか?」神田さんは一瞬目を凝らして、うなずいて言った。「問題ないようですね。これは唐以前の玉で、一目で分かります。これは悟りを得た高僧が長い間身につけていたものです」小池紗英子はうなずいて、また田中健太に尋ねた。「田中さんはどう思いますか?」田中健太は軽蔑の表情で口を歪めて、「偽物です……」と言った。神田さんは鼻を鳴らし、「まだ若いのに、こんな多くの人の前ででたらめを言うなんて!」と責め立てた。鈴木隼人の隣に座っていた老人、尾川明さんも目を開け、古玉を見て、「触っていいですか」と尋ねた。太った男は軽蔑するようにせせら笑って、「尾川さん、冗談を言っているのですか?玉は手に取れないことはわからないのか?普通の玉でさえ触れないのに、私のこの玉は周のものですよ。もし割ったりぶつけたりしたら、誰が責任をとるんですか?」と言った。尾川明は一瞬戸惑って、「失礼しました……」と言った。そう言って、彼も古玉に近づいて、注意深く観察した。しばらくすると、再び目を長く閉じて、うなずいて言った。「この玉が周のものかどうかは分かりませんが、風水を調整し、心を静かにして集中力を高めるという効果は、おそらく本当だろう」その言葉を聞いた途端、皆は急に心を燃やし始めた。彼らにとって、この玉がどのような歴史を持っているのかはどうでもよく、大事なのはこの玉にどのような効果があるのかということだった。神田さんは微笑んで言った。「流石尾川さんは目が高い。実力ないくせに、もったいぶった様子をとる人とは違いますなあ」それを聞いて、小池紗英子は田中健太に対してがっかりした。田中はやはり若すぎるんだ。文物の修復ではある程度の知識はあるかもしれないが、骨董の鑑定については、老人たちと比べて、まだ大きな差がある。田中健太はその有り様を目にして、ただ微かに首を振った。こいつらが騙ししを甘んじて受けるなら、敢えてそれを止める必要はないだろう。鑑定が終わったのを見て、その太っている
「もちろんです!どうぞ言ってください!」「私も見たいんだ。君のような詐欺師たちが、普段どのように人を騙しているのかをなあ」と神田は冷たく笑って言った。田中健太は肩をすくめ、「もともとこの罠を暴きたくなかったんだが、君たちがそう願うのなら、断れないよ」と言った。「罠って、坊や、君は私たち全員が見立て違いだというのか?」ずっと冷静で、仙人のように見えた尾川明が、突然鼻を鳴らして笑って言った。田中健太は彼を一瞥して、冷たく笑いながら言った。「ここでは特にあんたが一番愚かだなあ……」「お前、死にたいのか!」尾川明はたちまち激しく怒った。田中健太は彼を相手にせず、「玉は本物です。あんたら詐欺師も少しは良心がありますなあ」と言った。そう言って、また続けた。「でもこの玉は周の血珠ではありませんし、高僧が身につけていたものでもありません。ただの和田の上質な黄玉で、質は良いが、市場価格で言えば多くとも100万円でしょう」「馬鹿野郎。その玉は赤いんだよ、見えないのか?」神田さんは罵った。田中健太は続けて言った。「赤いのは、過マンガン酸を含む鉱物によって浸食されたからです。まさかそれが本当に高僧の血に浸かれたと信じているわけではありませんよね?」「では、私たちが感じたその温かい雰囲気はどう言うことですか?」菅原健は眉をひそめ、急いで尋ねた。田中健太は首を振りながら答えた。「それはもっと簡単です。アフリカ産のグラス草で、その根茎を粉に磨いて水に溶かします。約半年浸すと、自然にそういう効果が現れます。実は温かい雰囲気などではなく、幻覚効果です……解除の方法も簡単で、その玉に火を当てればいいのです」「貴様!そんな無礼なことを言うなんて!」太った男はそれを聞いて、テーブルをたたきながら立ち上がった。鈴木隼人は顔色が悪くなり、「その玉を火で焼いてみましょうか?」と言った。太った男は汗だくになり、「それどう言う意味だ。この野郎は明らかに取り澄まして嘘をついたのだ。彼のでたらめを聞くな!」と言った。菅原健は指でテーブルをたたきながら言った「もし焼いでもまだ効果があるのなら、それを買います。しかし、もし効果がなくなったら……菅原家は最近少し問題を抱えていが、頭を抑えつけられるわけではありません!」小池紗英子もうなずいた。「もし田中さんの
田中健太は怒った。「おいデブ、ただ黙っていればいいと思っているのか?ここは京都なんだぞ!今日お前が騙されて来た人は皆名門の方だと知らないのか?指一本でお前を死なせるかもしれない!言っとくが、少しは身分をわきまえろ、白状してくれ。さもなくば、誰もあんたを救うことはできないぞ!」小池紗英子は田中健太が心理戦を仕掛けているのを知って、すぐに協力し始め、顔色を悪くして言った。「小池家は京都においてもかなり顔の効く名門なんだけど、もし誰かが小池家の人を騙そうとしたら、みっちり懲らしめてやらなければならないの。もし今回私が手加減して、他の人に伝われば家族の名声に傷をつけることになるから!」太った男は急に恐怖に襲われ、驚いた表情を浮かべた!彼は小池家がどれほど影響力を持つのかをよく知っており、もし小池紗英子を本当に怒らせてしまえば、自分は京都で命を落とすかもしれないと思った。彼は混乱し、神田に絶望した声で叫んだ。「神田さん、助けてください!これは私一人で起こしたことじゃないから!」神田の顔色は急に変わり、怒りに震えながら叫び出した。「お前……何を言っているんだ?小池家を騙して、さらに私を陥れるなんて、ぶっ殺すぞ!」そう言って、神田さんはポケットからあいくちを抜き出し、凶悪な眼差しで、すぐに太った男に飛びかかった。太った男は目を剥いて驚いていた。「くそ、お前は人を裏切るのが早いな!お前が教えたんじゃないか、小池家の鑑定に関することはお前次第だって。お前がいいと言えば、必ず売れるんだって。てめえ、俺を騙すなんて!」と激しく罵った。小池紗英子は二人を冷たく一瞥した後、田中健太に言った。「田中さん、お恥ずかしい次第ですが、今日はお力添えいただき本当にありがとうございました。この方々については、あとで家族が片付けますから、今日はここで一緒に帰りましょうか」田中健太はかすかにうなずいた。「はい、じゃ帰りましょう」そう言って、二人は立ち上がり、出発しようとした。神田は小池紗英子が去ろうとしているのを見て、たちまち慌てた。太った男を殺すどころではなく、慌てて土下座して、「お嬢さん、どうか命をお助けください。小池家で長く勤めていたことを評価して、今回だけはお見逃しください......」と懇願した。小池紗英子がまだ言葉を発していないうちに、鈴木隼人が立
車の中、小池紗英子の表情はずっと冷たいように見えた。彼女にとって、家族の中に裏切り者がいたことは非常に腹が立った。さらにいらだたしいことに、神田ってやつがあんな多くの人の前で自分のことを騙そうとしことだ。今日もし自分がその罠にかかってお金を渡し、神田も逃げ出してしまったら、後でだまされたことに気づき、自分も家族の顔も失ってしまっただろう。幸い、田中健太がその場にいたことで、すぐに真相を明らかにし、自分と家族の損失を免れさせてくれた。そこで、彼女は車内のハンドバッグから銀行カードを一枚取り出し、田中健太に渡した。「田中さん、このカードには2000万円入っています。パスワードは6桁の8です。ほんの少しの気持ちですから、どうか受け取ってください」話している間、彼女は心の中で思わず感心した。田中健太はどうやら真の才能を持っているように見え、なぜ小さな家庭に入婿をしたのか不思議だった。もし彼が骨董鑑定の仕事に携われば、数年間でかなりの財産を築くことができるだろうと。田中健太はそのカードを見て、心の中で少し迷った。2000万円は少ないとは言えないが、小池家にとってはたいしたことではない。田中健太はその2000万が気に入らなかった。なにしろ自分のカードにはまだ一兆円以上もあるのだから、2000万円なんてほんのわずかものだ。それを受け取ってところで、意味がないのではないか?しかし、よくよく考えると、自分の身分は兆単位を持つ富豪ではなく、佐藤家の婿取りなんだ。婿取りであれば、2000万円を見て興味がないような態度を取ると、小池紗英子に疑われるかもしれない。そこで彼はそのままカードを受け取り、「ありがとうございます、小池さん」と言った。小池紗英子は微かに笑みを浮かべた。「遠慮しないでください」そう言って、小池紗英子はまた尋ねた。「田中さん、これからどこに行かれますか?」「市場まで送ってください。買い物した後、帰って料理をしなければなりません」と田中健太は笑って答えた。小池紗英子は一瞬戸惑って、思わず言った。「田中さんのことについては私も聞いておりますが、心から申し上げますわ。田中さんがこのような才能を持っている以上、婿取りという立場にとどまっている必要は全くありません。私の万福堂で首席鑑定師として、毎年2000万円の基本給を
田中健太はやむを得ない気持ちになった。午前に玉壺春瓶を割ってしまったばかりなのに、自分が外に出てた間、このおじいさんはまた骨董街に行っていたのか? いわゆる喉元過ぎれば熱さを忘れるというものだ。 佐藤太郎は大笑いして、少し神秘的な口調で言った。「このコップは1000万円の価値があると言われていただけだ。でも、わしがいくらで買ったか当てられるか?」 佐藤まゆみはためらいながら、「600万円…でしょうか?」と試しに尋ねた。 「違う!もう一度当ててごらん!」佐藤太郎は手を振った。 「400万円?」 「まだ違う!」 隣にいた田中健太は青磁のカップを一瞥して、それが偽物だとすぐに見抜いた。心の中では、「こんなものせいぜい2000円で十分だ」と思っていた。 その時、佐藤太郎は思わせぶりをせずに笑いながら言った。「はははは、6000円で買ってきたんだ!凄いだろう?」 佐藤太郎は大笑いして、湧き上がる喜びを抑えられなかったようだ。 佐藤まゆみは驚きで目を丸くして、信じられないような口ぶりで尋ねた。「まさか、このコップを本当に6000円で買ったの?」 義母の佐藤加奈が騒ぎを聞いて、台所から出てきた。喜んだ表情で、「このコップが本当にそんなに価値をもっているの?偽物じゃないでしょうね?」 佐藤太郎は胸を叩き、「大丈夫だ。コップを売っている人は市況を知らないから。俺は専門家にも見てもらった。これが本物だと言ってるんだぞ!」 「そうなの?」佐藤加奈は慎重にコップを手に取り、左右に眺めながら、うれしくて口もとが緩みっぱなしだ。 田中健太はそばに立っていて、ただ調子を合わせて笑ったが、表情は落ち着いていた。 彼はとっくにこのカップが偽物だと気づいたが、義父がこんなに喜んでいるのを見て、真相を明かすことはしないようにと決めた。 佐藤太郎は興奮して、まるで魚を盗んだ猫のように、「このコップはまだセットになっていないんだ。その店主が明日もう一つ持ってくると言った。明日また行ってみよう!セットを揃って買ってくるぞ。そうすれば、価値は数倍にもなるかもしれない!運が良ければ、12000万円分の借金を返済できるかもしれない!」と喜々として話した。 田中健太は眉をひそめて、すぐに食い止めようとした。「父さん、骨董を楽しむ際には欲深くならな
翌日は土日だった。田中健太は、義父の引っ張り合いで、早くから車で骨董品街に行った。義父は元気いっぱいで、車を降りるなり田中健太に手を振って言った。「さあ、どんなものかを見せてやる」そう言って、大きな足取りで骨董品の街へと向かった。田中健太は素早く追いかけて、歩きながら周囲を見回した。土日になると、骨董品の街には普段より多くの人が集まる。両側には、骨董品や玉製品を扱う店が密集していた。土日に出店する屋台も密に並び、通りが込み合っていた。また、多くの小売業者がプラスチックシートを地面に敷き、様々な骨董品や玉製品を並べて、そのまま露店で商売を始めた。田中健太は軽く一瞥しただけで、ほぼ本物が見当たらなかった。悪徳の商人たちは素人や観光客をだましているものばかりだ。偽物を購入した多くの観光客は、蚊帳の外に置かれ、模造品を手に取って喜んでいて、儲けたかのように振舞っていた。「ここだ!」佐藤太郎は足を止めて、地味な露店の前に立ち、興奮を隠せない表情を浮かべた。露店のそばには数人の観光客がいて、骨董品を選んでいる。佐藤太郎は遅れまいとすぐに人ごみを押し分けて入った。田中健太はさっと見渡すと、この露店はただ地面に油紙を敷いて、泥だらけの十数個の骨董を並べただけだ。青花馬、五帝の銅貨、銅の酒杯、血玉の腕輪、黄ばんだ絵や書法などがある……品がズラリと並び、何でもそろっているが、田中健太はただ軽く見ただけで、すべて偽物だと気づいた。露店の店主は、肌が黒くて小柄な男で、青色の粗い布の服を着て、髪は油っぽく乱れていた。見た目はとても素直で正直そうに見え、非常に無口な印象を与えていた。「これを見ろ!」佐藤太郎は興奮して田中健太を呼び止めた。色とりどりの、お腹が大きく口が細い瓶を指さし、声を低くして話しかけた。「これが二つのカップとセットになる酒樽だ!これを買ってセットにすると、価格は二倍になるんだぞ!」田中健太はその酒樽を一瞥して、手で量ってみてから、頭を上げて店主に尋ねた。「これ、いくらですか?」店主は目を丸くして、愚かな表情で言った。「俺の親父の話によると、最低でも40万円だ。でも一銭足りなければ売らない!」それを聞いて、佐藤太郎は大笑いして、すぐ田中健太に言った。「この店主は物を見る目がないんだから、他の人が
「旦那様、今日は急いで出かけたから、酒樽を間違えて持ってきたんだ」「間違えて持ってきた?」田中健太は笑って、泥だらけの嗅ぎたばこ入れを手に取lsつた。瓶口の泥を指でかき落とし、日に当てながら透かし見て、真剣な様子で言った。「これは間違えて持ってきていない。大阪産なんだから」その嗅ぎたばこ入れには、明らかに透明な小さな文字がある。「大阪工芸品工場製造」「俺は字を読めないから知らん。何が書いてあるか知るか」店主はぼろを出してしまったと気づき、商売もせずに、恥ずかしそうに笑いながら油紙を包んで、すぐに逃げようとした。佐藤太郎は完全に我に返り、自分が馬鹿にされていたことに気づいて、激怒した。彼は店主を掴んで、怒りに震えながら叫んだ。「この的屋、お金を返せ」「金って何だ。お前に会ったことはないし」店主は必死に抵抗した。手に持っていた油紙からは、偽の銅貨や偽の玉の馬が次々に落ちた。玉の馬が地面に落ちても割れていないことから、それはどうやら硬化プラスチックで作られていることが分かった。「お金を返さないと、通報するぞ!」佐藤太郎は目を丸くして大声で叫び、胸が張り裂けそうになるくらい怒った。二人が絡み合ううちに、突然店主の胸元から何かが落ちてきた。その物が落ちた瞬間、田中健太は眉をひそめ、目を凝らした。それは拳ほどの大きさの白色の丸石で、河原に見られるような丸石と同じような、灰色で光沢のないものだった。異なる点は、この丸石にはいくつかの文字が彫られており、「平安富貴」とかかれていた!文字が粗末で、明らかに人工的に彫られたものだと見ればわかる。このような彫られた石は、観光地ではあり溢れていて、全く価値がない。店主が先ほどこれを出さなかったのも当然だ。しかし、田中健太は一歩飛び出してその石を拾い上げ、全身の血が沸騰したかのように感じた。ついさっき、彼はこの骨董から一種の特別な息を感じた!息と言っても、実際にはエネルギーや磁場のようなもので、彼を強く引き寄せていた。これはおそらく『九玄天経』に記載されている霊気だと田中健太は気づいた。霊気とは、長い間失われた神秘的なエネルギーで、人間の身体的素質を完全に改善できるだけでなく、修行や一般の人々に理解しがたい効果を生み出すこともできるんだ!田中健太は心の中で
その声を聞いて、田中健太は眉をひそめて声の持ち主を見上げた。白いリネンの唐装を着て、黒い布靴を履き、全身に様々な手首輪がぶら下がった青年が、こちらに大股で歩いてきた。昼なのに、彼は古風の金の縁のメガネをかけていた。レンズは黒く、清朝末期の貴族が特に好んでかけていた「文明鏡」のようだった。青年の後ろには、四、五人の用心棒がついていた。彼の風雅な様子とは対照的に、これらの用心棒は非常に恐ろしい表情をしており、周りの人々はすぐに道を譲り、トラブルを招くことを避けようとした。「おっと、菅原若旦那様ですか!」店主は青年を見た途端、すぐに顔を明るくして、お世辞が流れるように口からでた。「菅原若旦那様、事前に知らせて、入口で出迎えに行くようにしておけばよかったのに……」「もういいから黙れ。今日はただ見物に来ただけだ」青年は不機嫌そうに手を振った。彼は大きな足取りで前に進み、田中健太の手に握られている石を見て、店主に尋ねた。「三郎、この石を包んでくれ!親父の書斎に、ちょうど鎮紙石がなかったから、これでちょうどいい!」「それは……」店主は作り笑いをして、顔をしかめながら田中健太を見た。そして媚びる口調で言った。「菅原若旦那様、これは本当に不都合なことです!石はすでにこの方によって購入されています!実はこの石は特別なものでも何でもなく、紙を押す以外に何の用もありません。今日は特別により良いものを用意してあります。そのボロ石なんてどうでもいいのです。いちばん高いレベルのものこそ菅原若旦那様のような立派な方にはふさわしいですよ」田中健太はこれでようやく、この店主の名前が三郎であることを知った。今の様子を見ると、明らかにこの青年とは知り合いのようだ。しかし、三郎の達者な口には、彼も感心していた。本当に場合に応じて言葉を選んで、状況をうまく操ることができたのだ。三郎は慌てて硬化プラスチックの玉馬を取り出し、口をパクパクさせて話した。「菅原若旦那様、これは先朝の貴妃様のお気に入りのものです。この玉は透明感があって美しいです。良い玉は運命の人に似合いますから、菅原若旦那さんの顔を立てて、昨日買っていただいたカップと同じ価格の18万円でよろしいでしょうか!」佐藤太郎は開いた口が塞がらなかった。同じような偽物のカップを6000円で購入したのが得だと思