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第51話

中村正雄が新しく開いたレストランは、京都市の開発区にある。

 開発区は市街地からかなり離れており、人口も多くない。田中健太はなぜ中村正雄がここにレストランを開いたのか疑問に思っていた。

 しかし、佐藤まゆみによると、開発区の近くに、フォックスコンのような大企業が数社進出する予定で、そのうち賑やかになるそうだ。

 だから、中村正雄がここにレストランを開くのは、実は賢明な選択なのだ。

 中村正雄のレストランは、広くて新しい通り沿いにあり、二階建てのかなりの規模がある。

 レストランの名前は「いろは」と言い、なかなか上品な名前だ。

 田中健太が車をレストランの前に停めた時、既にずらりとほかの車が停まっており、数人が金色のBMWセダンの前でタバコを吸いながら話していた。

 これらの人々は田中健太の知人で、大学時代のクラスメートだが、特に親しい人とは言えない。

 その中で、リーダー格の中村由太は、当時、クラスで有名な富裕層の子で、常に佐藤まゆみに思いを寄せていたが、まゆみは彼に全く興味を示さなかった。

 その時、中村由太は新しく買った金色のBMWにもたれながら、その車について自慢していて、同級生からの褒め言葉を受けていた。「中村くん、君は本当に人生の勝ち組だな!卒業してからまだ何年しか経ってないが、もうBMWに乗っているなんて!それに、BMWの540か?5シリーズの最高仕様だろう?」

 中村由太が笑って、「ああ、540か、ただの1500万円ぐらいの通勤車に過ぎない、大したことない。」と言った。

 「マジで540?それは5シリーズで最も高いなんだよ!」

 「ああ、僕はBMW 1シリーズを買うつもりだが、頭金が足りなくて、中村くんには遠く及ばないな!」

 「中村くん、パワーはすごいだろう?」

 中村由太がにっこりと言った。「まあまあ、パワーは比較的強い方だな、大通りで敵に会ったことはないね。」

 「本当にすごい!僕もBMWのセダンがあればいいのに、買えなくて、彼女がいつも文句を言ってて、もううんざりしてるんだ!」

 その時、誰かが鋭い目で、またBMWが来たのを見て、驚いて言った。「あれ、このBMWも俺たちの同級生のものかな?」

 「おい、あれは田中健太のしょぼい奴じゃないか!」

 「助手席に座っているのは佐藤まゆみだ!このクソ野郎、BMWにも乗
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