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第7話

私は本当に予想しなかった。

こんな状況でも、森下慎也は桜井を守ろうとしていた。

森下慎也の父も驚きを隠せなかった。

彼は怒りを爆発させ、再び森下慎也を叩こうとした。しかし、桜井玲奈が彼の前に立ちはだかった。

「伯父様、私が悪いんです。慎也さんを責めないでください」

「松本さんを不快にさせてしまったのが原因で、私たちが争ったせいでこうなったのです」

桜井玲奈は哀れな様子で話し、それが森下慎也さの心を再び深く揺さぶり、彼は痛切な思いでいっぱいになった。

彼は桜井玲奈を強く抱きしめながら言った。

「もし、あの時父と母が反対しなかったら、僕はとっくに玲奈と一緒になっていました!」

「今はただ、僕は兄として玲奈のことを少し見守っているだけです。それなのに、千代子はいつも嫉妬で玲奈をいじめます!」

耐えきれなくなった森下の父は、声を荒げて叫んだ。

「お前なんて、もう俺の息子じゃない!まるで人間の皮を被った獣だ!」

彼の父は怒りで今にも倒れそうだった。

そこへ駆けつけてきた森下慎也の母とほかの医者たちが、急いで彼を支えた。

桜井を抱き続ける息子を見て、森下慎也の母は涙を浮かべながら、言葉を絞り出すように言った。

「どうして、どうして桜井玲奈の本性が見えないの?」

「あなたと桜井が付き合っていると知って、私たちは心配で、何度も彼女の行動をこっそりと見ていたの」

「あの時、私たちがあれほど桜井との交際を反対したのには理由がある。実は、彼女が不良たちと一緒に夜な夜なバーへ通っている姿を、私たちは何度も目にしていたの」

森下慎也は仕方なくあの時の真実を語り始めた。

「実は、彼女は同時に三人の男性と付き合っていたのよ。それでも私たちの前で知らない顔をしていた。あなたから渡されたお金も、他の男と遊ぶために使われていた」

「あなたが傷つくのを恐れて、私たちは仕方なく彼女の要求を受け入れ、彼女にお金を渡して追い払った」

「彼女は、私たちがあなたたちを無理やり別れさせたと言った。それであなたに恨まれたが、それもすべて私たちは受け入れてきた」

涙をこらえきれず、森下慎也の母は胸の内の痛みを語り続けた。

叔母さんの姿を見て、私もまた胸が締め付けられるような痛みを感じた。

この数年、森下慎也は私に対して冷たくなっていった。

でも、叔父さんと叔母さんはまる
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