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第25話

「そんなこと言ってないわ。足はあなたのもの、行きたい場所に行けばいいのよ。それに、私はもうここに住んでないし、昨日戻ってきたのはたまたま」

実際、雲香は扱いやすい。彼女の「お利口で従順」というキャラ設定は、美しい外見に隠された一部に過ぎない。

少なくとも、ドラマでよく見るような悪意の塊の姉さんじゃない。言い争いに気をつければいいだけで、身体的な危害は防げる。

少しだけ合わせておけば、ほとんどのトラブルは避けられる。口先だけでうまくやれば、対応はそれほど難しくない。

慎一が家にいないことは、さっき雲香が私の部屋をのぞき込んだ仕草でわかっていた。私が支度している間に出て行ったのだろう。

私は彼の書斎に下りて行った。やはり、書斎の中央の壁は空っぽで、何もかかっていない。雲香の言う通りだった。

私は少し腹が立った。大きな写真の表面はガラスでひび割れていて、書斎の隅に投げ捨てられていた。

昨晩あんなことをしたのに、まだ何かを発散する必要があったのだろうか!

私は結婚指輪を見つめ、外して彼の机の上に置いた。そして、結婚写真を持って行き、道路沿いのゴミ箱に捨てた。彼がいらないなら、私もいらない。

——

新しい同僚たちにコーヒーでも奢ろうと思ったが、事務所に着いたときには、みんな営業に出かけたり、案件を探しに行っていて、ほとんど誰もいなかった。穎子さえいなかった。

私は夜之介のオフィスに挨拶しに行ったが、なんと康平もいた!

どうりで私を事務所に呼んだわけだ。これは康平の差し金だったのか!

私と康平が顔を合わせると、お互いに反発する。まったく気が合わない。

夜之介が場を和ませた。「ちょうどお昼時だから、軽く食事でもしながら話そう」

彼にはすべて見抜かれていた。この大きなチェーン法律事務所も、康平にとっては幼馴染をどうにかするためのツールに過ぎないのだろう。それが手助けなのか、それとも別の意図なのかはわからないが。

昨夜飲みすぎた私は、今日車を運転してこなかった。康平は自分の車の横に立ち、偉そうに聞いてきた。「佳奈ちゃん、誰の車に乗るつもりだ?どうしてもって頼むなら、乗せてやってもいいけど?」

私は彼と一緒に道中いがみ合いたくなかったので、さっと夜之介の車に乗り込んだ。子供の頃と何も変わ
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