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第21話

広々とした部屋の中で、深川律はベッドに腰掛けていた。彼の腕の中で、季松晴子が深い眠りに落ちている。露出した彼女の腕には青あざや紫色の痣が散らばっていた。

晴子が初めて深川のもとに来たとき、彼女はまだ18歳だった。薊野南生の後ろについて歩く彼女は、澄んだ瞳と白い歯を持ち、その白さは言葉では言い表せないほどだった。

彼女は小さな白うさぎのようだった。黒くて丸い瞳で深川をおそるおそる見つめ、ふわふわとした姿に触れたくなるような可愛らしさがあった。

それ以来、深川は彼女をずっと傍に置いていた。丸8年もの間。

「んん......」晴子が唇を尖らせながら寝返りを打った。少し寒そうに、深川の胸元に身を寄せる。

携帯の振動音が鳴り、深川は右手で毛布を引っ張って晴子をしっかりと包み込み、左手で携帯を取った。

「わかりました。あの車は確かに北原市から来たものです。梁井信田の仕業です」

「やはり奴か」深川は晴子の髪を弄びながら言った。細長い指先が彼女の髪の毛先をすり抜けていく。その眼差しには、無意識の優しさが滲んでいた。

「緩利依織信田の死も梁井の仕業でした。今回は夢夜を狙っているようです。目的は相変わらずあなたです。私の推測では、3年前の件はそう単純ではないかもしれません」

......

電話を切った後、深川は深い思考に沈んだ。

晴子と依織は梁井信田の指示通りに契約を盗み、最終的にはプロジェクトも梁井信田の手に渡った。

なぜ梁井信田はまだ追ってくるのか?

もしかして、自分の知らない何かがあったのだろうか?

最近、深川は忙しそうで、姿を見かけることが少なくなっていた。晴子は梁井信田からの電話を何度も受け、相手は我慢強く彼女に早く行動を起こすよう促していた。

「夢夜、私に我慢も時間もない。君の弟も、もう待てないだろう」

梁井信田のその一言で、晴子は凍りつくような恐怖を感じた。

この数日間、晴子は病院から勝谷君弥を連れ出す方法を必死で考えていた。しかし、あらゆる手段を試してみたものの、うまくいかなかった。

もう深川律を裏切るようなことはしたくなかった。

3年前の出来事で、たとえ自分が直接手を下さなかったとしても、間接的に薊野南生の命を奪う結果になってしまった。

裏で回りくどい手段を使っても、結局誰も守ることはできなかった。南生の死、君弥の事故、そして最
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