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第22話

「あっ!」

何の準備もないまま、晴子は下半身に突然の空虚感を感じ、すぐに激しい痛みが走った。深川は怒りを込めて何度も彼女の体に突き入り、晴子は自分が引き裂かれそうな感覚に襲われた。

この瞬間、晴子は普段の深川がいかに優しかったかを思い知った。

初めて会った時でさえ、あの時の怒りは偽物だったのだ。

今回こそが本気だった。

晴子は痛みに耐える性格ではなく、今や全身が赤く染まり、細かい汗が浮かんでいた。無意識に両脚が彼の腰に巻き付いていた。

しかし男は、その体勢を利用してさらに身を屈め、彼女の耳たぶを軽く噛んだ。「どうだ?瀬名はこんな感覚を与えてくれなかったか?」

嘲笑と冷酷さが混ざった声。深川は高みにいて、服を着たままだ。彼女だけが彼の下で裸体をさらしていた。

晴子は顔を横に向け、目尻から一筋の涙がこぼれた。

「夢夜、お前はそんなに瀬名が好きなのか?」

意識が朦朧とする中、晴子はそんな言葉を聞いた。愛?なんて笑えない言葉だろう。彼女にはもう愛を持つ資格があるのだろうか?

愛することも愛されることも、もはや彼女とは無関係なように思えた。

長年、彼女は男の付属品になることに慣れていた。男に愛されているかを尋ねることはあっても、誰かを愛する資格など彼女にはなかった。

それに値しないからだ。

晴子の虚ろな様子が深川の怒りに火をつけた。彼は獣のように晴子の体を蹂躙し、激しい摩擦で二人とも体力を使い果たしそうだった。

晴子は魂を失ったかのように、虚ろな目で涙を流していた。

その瞬間、深川の心は鈍器で殴られたかのように痛んだ。密集した痛みが彼を襲い、ほとんど息ができないほどだった。

深川は逃げるようにその部屋を出て行った。晴子はソファの上で身動きひとつしなかった。

空気中にはまだ情欲の匂いが漂っているのに、人はいなくなっていた。

玄関から冷たい風が吹き込み、ドアが一度、二度と大きな音を立てて揺れた。晴子は身を起こし、衣服を寄せ集めた。

彼女の目は床に落ちている貞操帯に向けられた。手を伸ばしてそれを掴み、ほとんど無意識のうちにそれを身につけた。

下半身に特別な感覚を感じた晴子は、心臓が激しく鼓動するのを感じた。我に返った時には、もう外すことはできなくなっていた。

彼女は冷笑しながら、むせび泣いた。

「勝谷結菜、あんた本当に下賤ね.....」
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