共有

第7話

瞬間、剛志の体がビクッと震えた。

携帯を落としそうになるほどだった。

香織はすぐに彼を支え、「剛志、大丈夫? どうしたの?」と心配そうに聞いた。

だが、剛志は彼女に目もくれず、携帯を強く握りしめたまま、相手に尋ねた。

「本当に確かか?」

「分かってるでしょう、宮崎隊長。僕は以前、一度彼女の援護をしたことがあるんです」

相手はため息をついて続けた。

「あの任務の時、彼女は私を守るために犯人の銃弾が顎をかすめて裂傷を負いました。そして今回引き上げた頭蓋骨は、すでに白骨化していますが、顎の同じ場所に明らかな小さな凹みがありました」

「誰が見ても、それは銃弾による傷跡です」

私にははっきりと見えた。

感情を抑え込もうと、剛志は携帯を握る手に力を込め、その手の甲に青筋が浮き上がっていた。

眉間に深い皺が刻まれ、目には複雑な色が浮かんでいた。

でも、喜んでいるはずじゃないの?

剛志。

なぜ笑わないの?

「もちろん、慎重を期すためにDNA鑑定もするつもりですが......」

相手がそう言いかけた時、剛志はもうそれ以上聞く気になれなかった。

「すぐに行く!」

彼はこの言葉を叫ぶと、電話を切る暇もなく、急に結婚式の壇上から飛び降りた。

香織の顔色が一変した。

「剛志! どこに行くの?」

剛志はその場で一瞬足を止めた。

まるで何かの夢から突然目が覚めたかのように、深く息を吸い込んで振り返り、香織に微笑んだ。

「大丈夫だよ。古い事件に進展があって、情報提供者と会わなきゃならないんだ」

「宫崎、それはちょっとひどいんじゃないか?」

局長がわざと厳しい顔をして言った。

「たとえ事件のためだとしても、儀式が終わるまで待ちなさい。新婦をそのまま置いて行くなんて、どこにそんな新郎がいるんだ?」

「さすがに宫崎隊長、あんたは仕事に夢中すぎだよ」

海斗も頭を振って言った。

「こうしよう、住所を教えてくれたら、俺が代わりに行ってくるよ。話の内容は録音して、全部そのまま伝えるから、今日は新郎らしくしっかりしてな!」

剛志は何か言いたげだったが、言葉を飲み込んだ。

香織も何かを感じ取ったのか、手を握りしめた。

「剛志.
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status