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第009話

「お前、なんだか変わったね」

三浦安奈が留学仲間から仕入れたゴシップを見て、私は上機嫌だった。

「どこが変わったの?」

「分からない。ただ、なんかお前がもう俺を愛していないように感じるんだ」

私は一瞬黙り込んだ。

しかし、和也は何かを証明したいかのように、私の首にキスをし続けた。その瞬間、あの夜の男の口から漂ってきた悪臭を思い出し、私は力いっぱい和也を突き飛ばし、ゴミ箱を抱えて吐き気に襲われた。

和也は冷静さを取り戻すと、すぐに水を持ってきて背中をさすってくれたが、顔色は良くなかった。

私は突然、この偽りの関係をぶち壊したくなり、コップを倒して彼を指さし、怒鳴った。

「どうして白川美咲を探しに行かないの?今度はどの家に彼女を隠してるの?和也、今のあなたを見ると本当に気持ち悪い!」

彼は急に動揺し始め、

「違う!あの日以来、彼女とは一度も会っていない!」

私は冷笑して答えた。

「やったことを認める勇気もないの?君はいつも口をつぐんで、あの初恋の彼女を忘れられないって言わなかった。4年間も私に優しくしてくれたのに、全部嘘だったなんて」

それから私たちは、この5年間で最大の口論を繰り広げた。彼は白川美咲との関係を否定し、私は彼を一切信じなかった。

実際のところ、彼がこの期間白川美咲に会っていないことは知っていた。

でも、私は和也のことをよく知っていたし、どこに傷をつければ一番痛むかも分かっていた。

あの夜の口論以来、私たちはまるで婚姻届を出す前のような生活に戻ったかのようだった。

白川美咲が深夜に酔っぱらっているSNSの投稿を見て、彼女ももう限界に達していることを感じ取った。

私はますます和也にべったりと甘えるようになり、家では彼を抱きしめて愛の言葉をささやき、彼が外に出るとすぐに連絡を取った。

最初は彼も楽しんでいたが、次第に面倒そうに対応するようになった。

彼が再び白川美咲と連絡を取り始めたことを私は知っていた。私が彼にさらに執着しているのを見て、彼の揺れ動く心が再び不安定になっていくのが感じられた。

白川美咲の投稿を見返すと、彼女はラグドールの子猫を飼い始めていた。

「私は君たちの思い出が詰まったその猫に嫉妬している。でも、アレルギーがあっても君との新しい思い出を作りたい。幸い、君が私たちを世話してくれるから」

私は拳を
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