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第7話

再び目を覚ますと、俺は白いベッドの上に横たわっていた。

友樹がベッドのそばに立っている。

さっき起こった出来事を冷静に思い返してみたが、友樹は俺を害そうとしていたわけじゃない気がする。

彼が帰ってきた時、俺が電気をつけないように止めただけだし。

エレベーターの前では、あいつが突然声をかけなければ、俺は間違いなくそのまま乗っていただろう。中で何が起きるかわからないが......

鏡に引き寄せられた時、彼が鏡の中に現れたからこそ、俺はその異常に気づくことができた。

一階のおばあさんの家のドアを閉めた後も、彼はまた現れ、俺が走り続けるきっかけをくれた。

今この瞬間も、友樹はすぐそばにいるが、何もしてこない。ただ、そこに立っているだけだ。

......

俺は、青葉が電話で言っていたことを思い出した。

「この世界は危険よ、智彦。それは、私たちを殺そうとしている!」

それ?それとも彼?もしかして、俺は何かを誤解していたのか?

俺は何度か深呼吸をして気持ちを落ち着け、言葉を絞り出した。「友樹......ごめん。お前、何か苦しんでるんだろ?教えてくれ。俺にできることがあれば、手伝うから」

友樹は一瞬驚いたように目を見開いた。そして、口を開いた。「智彦......お前は、今も昔も、俺の一番の友達だ。でも、ここを離れるんだ。振り返らずに、必ず出ていくんだ」

聞き返す暇もなく、突然凄まじい笑い声が俺たちの会話を遮った。

その時気づいた―その声は、友樹自身から発せられていたのだ。

彼の姿は再び恐ろしいものに変わっていく。頬には血の涙が流れていたが、なぜか俺は前ほど恐怖を感じなかった。これは、きっと本当の友樹じゃない。

俺は彼の名前を大声で呼び、「友樹!友樹!」と叫びながら、必死で彼の肩を揺さぶった。

友樹は苦しそうな顔をして、奇妙に変形した指で自分の髪を掴んでいた。「智彦!早く逃げろ!俺はもうコントロールできない!俺を放っておけ!早く逃げろ......」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、友樹は突然狂ったように俺の首を掴もうとした。俺は慌てて手を放し、ベッドから転がり落ちた。友樹の爪は空を切り、ベッドの板に深々と食い込んだ。

彼の突き出た目が俺をじっと見つめる。その視線を感じながら、冷や汗が額を伝って流れ落ちた。

友樹の顔は次々と入れ替わる。
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