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第39話

その日から、春野芝は片瀬響人を見つけられなくなった。

電話はつながらず、会社に行っても彼に会えなかった。

春野芝は全く受け入れられなかった。どうして前の瞬間まで愛していると言っていた男が、突然身を引いて、一切の未練もなくなってしまったのか。

彼女はまだ十八歳で、本当に理解できなかった。お金持ちの愛はこんなに気まぐれで変わりやすいのか?

片瀬響人が彼女を愛していた時、彼女はその理由が分からなかった。片瀬響人が去った時も、彼女はその理由が分からなかった。

しかし、若さには若さの良さがある。一歩前に進むだけで、理由が見つからなくても振り返らない。

ついに、彼女は片瀬の門の前にある入り口にある石の獅子の横で、片瀬響人の友達であり、会社の副社長である木下拓実を待っていた。

彼女は木下拓実に二度会ったことがあり、彼が片瀬響人の友達であり、パートナーであり、今の彼女の唯一の希望であることを知っていた。

「木下さん!」

木下拓実は足を止めた。「君は?」

「私のことを知らないの?私は芝ちゃんだよ」

木下拓実はさらに驚いた。「詩ちゃん?」

春野芝は名前の響きが同じで自分の名前を言ったと思い、すぐに頷いた。「そうだよ」

しかし、木下拓実は笑って、首を振り、ため息をついた。「君は松井詩じゃない」

「本当に私はそうです。これが私の学生証です、見て!」

木下拓実はそれを受け取り、一瞥して眉をひそめた。「君は片瀬さんの......」

「私は彼の彼女です」

「......春野芝?なるほど。」

春野芝はさらに理解できなくなった。「目下さん私は片瀬さんを見つけられません。彼に連絡を取ってもらえませんか?」

木下拓実は学生証を返しながら言った。「申し訳ないが、私はもう片瀬さんにはいない。今日は退職手続きをするために来た。君を助けることはできないかもしれない」

「でも、あなたは彼の友達じゃないですか?」

木下拓実は説明せず、ただ控えめに言った。「待っていても無駄だよ、君は彼を待っても会えない」

春野芝は非常に不満を感じた。「私はただ理由を知りたいだけ。どうして彼はこんなに私を愛していたのに、こんなに決然と別れられるの?」

木下拓実はこの少女をどうやって慰めるべきか分から
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