しばらくすると「ふぇぇ~ん」と和季の泣き声が聞こえてきた。 どうやら起きてしまったらしい。「……まったく。また、寝かせに行ってくるか」 櫻井課長は、ため息混じりに頭をかくとリビングから出て行った。 亜季は体が火照って、残念な気はした。それでも息子に振り回される櫻井課長も可愛く思ってしまう。思わず笑ってしまった。 しばらく経っても、なかなか戻って来ないため、覗きに行くとベッドで一緒に眠っていた。 どうやら疲れていたらしく、釣られて寝てしまったらしい。スヤスヤと同じ顔が隣で並ぶ。 和季はギュッと櫻井課長の服を掴んで離さない。仲のいい親子だなぁ~と思った。 亜季は微笑むと、そのまま静かにドアを閉めた。 それから数日後。いつものように櫻井課長は、和季とバトルをしていた。 朝は相変わらず賑やかだ! 櫻井課長が会社に行くと、家事を手早く済ませて亜季と出かける準備をした。 今日は、木田と一緒に教習所に行くことになっていた。 教習所に向かう前に和季を託児所に預けに行く。小さな託児所だったが保育士も数人居て、設備はしっかりしているようだ。 安全なようにドアは二重に鍵がついているし、ベビーサークルが設置されていた。 聞いた話だと評判もいいらしい。「じゃあ、しばらくの間、よろしくお願いします。和季。じゃあ、いい子で待っていてね」「ふぇ~ん。まんま~」 女性保育士に和季を預けた。しかし和季は嫌がり、亜季に抱っこを要求してくる。 こうも泣かれると行きづらい。 可哀相に思えてしまい、後ろ髪を引かれそうだ。「ごめんね。すぐに迎えに来るからね」「小さい子って、泣いて離れるのを嫌がるから、可哀相になってくるわよね」「はい。もう何だか、胸が痛いです」 一緒行く木田の言葉に苦笑いする。早く済ませて迎えに行こう……そう決心した。 教習所は確かに託児所から、十分ぐらい歩いた場所にあった。 手続きを済ませると、まずは講習を受ける。 その後、学科講習と技能講習などに進んでいく。どちらも試験があるから、これに合格をしないと免許が貰えない。 まずは、学科講習で合格をしなくては。 講習を受けた帰り道に、亜季は本屋に寄ると免許用の参考書を買った。 和季には新しい絵本を買ってあげた。 午後は和季が昼寝をしている間に、亜季は参考書で勉強する。「えっと…
Terakhir Diperbarui : 2025-04-04 Baca selengkapnya