「おはようございます、前田さん。どうですか?傷口痛みますか?」「あっ、蓮見さん、おはようございます。ええまあ、傷はずいぶん良くなったと思います」病室の窓から穏やかな秋の朝日が優しく差し込む。今日も、看護師としての1日が始まる――私の名前は、蓮見 藍花(はすみ あいか)、24歳。160cm、自分では普通の体型だと思っているけれど、たまにスタイルいいねって……恥ずかしいけど褒めてもらえる時がある。看護師である以上、常に笑顔は心がけていて、化粧もあまり派手にならないようナチュラルにしている。茶色でボブスタイルの髪型は、昔からあまり変わっていない。「おはようございます。前田さん、傷口、どうですか?」「ああ!白川先生。おはようございます」病室に後から入ってきたのは、我が「松下総合病院」の外科医、白川 蒼真(しらかわ そうま)先生。白川先生は、前田さんの主治医だ。まだ若手の先生だけど、周りからの信頼はとても厚く、医師としての腕はかなり評判がいい。いづれはこの病院のエースになる人だ。老若男女を問わず、患者さんにダントツ1番人気の理由は、腕が良いだけでなく、超イケメンな美しい顔と、このモデルのようなスタイルも関係しているだろう。180cmで細身、髪型はアッシュグレーのナチュラルショート。前髪は少し長めのセンターパートで、前髪からサイドに流れをつけている。整えられた眉に二重で切れ長の目。艶のある大人っぽい薄めの唇、高い鼻。その端正な顔立ちに、初めて見た人はみんな驚く。あからさまに赤面する人や、急にお喋りになる人、逆に恥ずかしくて緊張してしまう人……女性なら興味をひかれるのは仕方がないだろう。私だって、最初は「こんな素敵な男性が世の中にいるんだ」と、とても驚いたから。学生時代にオシャレ雑誌のモデルも経験済みらしいけれど、そんな華やかな世界には進まずに、医師になるなんて、少しもったいない気がした。
Last Updated : 2025-02-13 Read more