「私は深川さんとは違う。そんな変態的な覗き趣味はないわ」深川は怒る様子もなく、片腕で晴子を抱き寄せ、再びリモコンを押した。部屋の隅にあるスピーカーが反応して起動し、男女の喘ぎ声が聞こえてきた。「澄人さん......」「んん......」映像と音の衝撃に、晴子はしばし反応できず、ただ恥ずかしさで一杯だった。「彼女はあなたの婚約者じゃないの?」晴子は本当に理解できなかった。この男は自分の婚約者の浮気をこんなに興味深そうに見られるのか?「彼女が誰かは、そのうち分かる。その時には、お前が俺に頼み込むことになるだろうな」深川は顔を下げて冷笑し、まるで闇夜の悪魔のように背筋が凍るような雰囲気を醸し出した。深川は後ろから晴子をきつく抱きしめ、彼女の耳たぶを口に含み、片手が下へと這っていった。晴子は彼の腕から逃れようともがいたが、きつく抱きしめられて動くこともできなかった。細かなキスが耳の後ろに落とされ、白い首筋に赤い痕が点々と残された。下半身にじわじわと広がる疼きに、晴子は思わず小さな声を漏らした。視界の隅には、ガラス窓の向こうで我を忘れている二人の姿が映り、その映像と音が3D立体音響のように晴子の全身の血を沸騰させた。「夢夜、俺のところに戻ってこないか?」深川は手を伸ばして晴子の顔を向かせ、激しく唇を奪った。晴子のすべての声は飲み込まれ、白く柔らかな手が深川の胸の前の腕を叩き続けた。しかし力が弱く、次第に抵抗も弱まっていった。実際、浜江市で深川を見た瞬間から、彼女は深川の手から逃れられないことを悟っていた。彼は常に彼女を所有物として扱い、まるで籠の中の金糸雀のように。彼の目には、晴子はただの愛玩動物でしかなく、彼を即座に楽しませるための存在でしかなかった。耳元の背景音と自分の姿が混ざり合い、我を忘れそうになる中、晴子は体の向きを変え、両手で深川の首に腕を回した。受け身から積極的になったことで、深川はその変化を好む様子だった。晴子は深川の肩に顔を埋め、荒い息をしながら、彼の耳元でささやいた。「深川さん、私があなたの元に戻ったら、北原市で死んだ薊野南生さんは許してくれるかしら?」深川の動きが止まった。言い終わると、晴子は深川の耳たぶを強く噛みしめ、血の味が口の中に広がるまで離さなかった。その
Read more