放課後、私は鈴木拓海を待たなかったし、これからも彼を待つことはないだろう。道を半分ほど歩いたとき、後ろから足音が聞こえた。彼だと分かっていたが、振り返らなかった。まだ彼のことが好きだが、これからはその気持ちを心の奥にしまい込んで、私一人のものにする。そして時が経つにつれ、彼を私の世界から完全に消し去るつもりだ。それ以来、私は彼と一緒に登校することはなくなった。たとえどこかで顔を合わせたとしても、私はただ礼儀正しくうなずくだけで、一言も多く話すことはなかった。何度も彼が道端で立ち止まり、私を待っているように見えたことがあった。唇をもごもごさせて何か言いたげだったが、私は気づかないふりをして通り過ぎた。クラスメートたちは、私が講台で言ったことを信じていなかった。十年以上も彼と私はいつも一緒だったからだ。菜奈によると、みんなは裏で何度も話し合いをして、結局私は鈴木拓海に腹を立てているだけで、怒りが収まれば元の関係に戻るだろうという結論に達したらしい。それについて私は特に何も言わなかった。信じなくても構わないし、他人の頭を開いて私の考えを詰め込むわけにもいかない。どうせ事実が私の言葉の証拠になるだろうから。木曜日の午後三時間目は体育の授業だった。高校三年生たちは毎日教科書と問題集を抱えて勉強していて、みんな目が回るほど疲れていた。先生たちは私たちがさらに鬱にならないようにと、体育の授業があるときは全員を校庭に送り出し、三周も五周も走らせていた。私は生理痛のため、先生に許可をもらって外に出なかった。授業が始まってから20分ほど経った頃、女の子のクラスメートがドアを蹴飛ばして飛び込んできて、私を見つけると無理やり手を引いて外に連れ出そうとした。「佐藤美咲!鈴木拓海がバスケットボールで怪我をして、たくさん血が出てるわ。早く見に行って!」彼が怪我をしたと聞いて、私は瞬時に頭が熱くなり、その子に引かれるままに校庭に走っていった。あとでこの出来事を振り返ったとき、自分でも自分が理解できなかった。もしかしたら十年以上も彼の後ろを追いかけていたから、彼に関することを聞くとすぐに駆けつけたくなる癖がついていたのかもしれない。結局、私は彼を自分の人生の一部として見ていたからだ。校庭の中心には人だかりができていて、鈴木拓海は地面に座り、右足を曲
続きを読む