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第 0318 話

季節の野菜炒め、エビの煮込み、スペアリブのスープ、最後は豆腐と魚の煮込み。

「ご飯をよそってきますね、おばあちゃん、座っていてください」綿は美香に声をかけた。

美香はため息をついて、「綿ちゃん、嬌と輝明のプロポーズのこと……」

「おばあちゃん、私から言わせてもらえば、もう二人を止めないであげてください。彼らを認めてあげましょうよ。輝明は本当に嬌のことが好きなんですから」綿の声がキッチンから聞こえてきた。少し大きめの声だった。

美香は不満げに、「本気なの?」と言った。

そのとき、玄関のドアが開いた。

美香は振り返った。

綿はご飯を持って出てきて、「おばあちゃん、二人を一緒に——」と言いながら出てきたが、ダイニングテーブルのそばに美香の姿がないことに気づいた。

綿がお茶碗をテーブルに置こうとしたとき、ふと玄関から入ってくる人に目が留まった。

綿は一瞬動きを止め、その人の視線と合った瞬間、口にしようとしていた言葉が止まった。

「輝明……」綿の声は淡々としていて、少し驚いた様子だった。

輝明は眉をひそめ、同じく驚いていた。綿がここにいるなんて。

綿は思わず息をのみ、熱い!

彼女は急いでご飯をテーブルに置き、耳を触った。

「大丈夫かい?」輝明は一歩前に出て、心配そうに尋ねた。

綿は慌てて首を振った。

「おばあちゃんからメッセージが来て、体調が悪いと……」輝明は携帯を取り出し、おばあちゃんからのメッセージを確認しようとした。

しばらくして、彼はこれは騙されたのだと悟った。

おばあちゃんは彼を家に呼び戻すために、わざとこんなことをしたのだ。

「そういえば、おばあちゃんは今日確かに病院で検査を受けた。でも特に問題はなかったよ」綿はエプロンを外し、周囲を見渡した。

ちょうどそのとき、美香が洗面所から出てきた。

彼女は輝明が帰ってきたのを見て、「どうしてこんなに遅いの?」と不満そうに言った。

綿は唇を引き結び、美香はキッチンへ行き、もう一組の食器を持ってきた。

「一緒にお昼ご飯を食べましょう、いいでしょう?」彼女は二人に尋ねた。

輝明はテーブルの上の料理を見て、これらが綿の手料理であることを知っていた。

綿はエビの煮込みが好きだが、エビを剥くのは面倒がる。

「何か言ったらどうなの?」美香はテーブルをトントンと叩き、木のように立ち尽くす
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