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第 0319 話

輝明は綿に椅子を引いてあげ、綿に残るように示した。

綿はため息をつき、「わかりました、おばあちゃん、一緒にご飯を食べます」と言った。

美香はその言葉を聞いて、すぐに足を止めた。

彼女は振り返って綿を見つめ、「もう帰らないの?」と尋ねた。

綿はため息をついた。まだ帰れるわけがない。

「帰りません!」綿は席に座った。

美香は鼻を鳴らし、輝明に「あなたは帰るの?」と尋ねた。

輝明:「……」

輝明はそのまま席に座り、二人は美香を見つめた。もうどこへも行けない。

美香は二人を睨み、ようやく席に座った。「最初からそうすればよかったのに!」

でも、彼女はさっき本当に怒っていた。

綿はおばあちゃんにおかずを取り分け、「たくさん食べてください」と言った。

「 自分で食べなさい」美香は綿に食事をするよう促した。

綿は頷き、黙って箸を取り食べ始めた。

綿はずっと野菜ばかり食べ、テーブルの肉にはほとんど手をつけなかった。

美香は綿にスペアリブをよそったが、綿は首を振って「おばあちゃん、好きではありません」と言った。

彼女はあまり食欲がなく、野菜を食べるだけで十分だった。

「それならエビを食べなさい」美香はまた言った。

綿はエビの殻を剥くのが嫌だった。

綿は頷き、それ以上何も言わなかった。

「これからはもっと私と一緒にご飯を食べに来てちょうだい。とても寂しいの」美香は綿に言った。

「おばあちゃん、時間があれば、一緒に過ごします。」綿は何とかその場をやり過ごそうとした。

美香は頷き、「うん」と言った。

綿が食事をしようとしたとき、輝明が突然、殻を剥いたエビを彼女に差し出した。

美香は眉を上げて二人を見つめ、黙ってスープを飲んだ。

「ありがとう」綿は驚きを隠し、小声で感謝した。

輝明は何も言わず、また二つ綿のためにエビを剥いた。

「なんて気が利くの。最初からこうすればよかったのに」美香は皮肉を言った。

輝明は自分の祖母を一瞥し、黙っていた。

しかし、輝明は自分が剥いたエビを綿がお椀に置いたまま、一向に食べないのに気づいた。

彼女が食事を終えても、そのエビはまだお椀にあり、最後にはまとめてゴミ箱に捨てられた。

綿が捨て終えて振り返ったとき、ちょうど輝明が彼女を見ていた。

綿は平然とお椀と箸を食器洗い機に入れた。

輝明は彼女が忙しく動
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