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第39話 ただのダンスなのに

なるほど、そういうことか。

ここまでしているということは、ほとんど株主同然ではないか。

これで慶一が、早くから人工知能の分野に目をつけていたというわけか。

もし伸宏が話してくれなければ、鈴楠もその事実を知ることはできなかっただろう。彼がこの件を正直に話したのは、本気で佐藤グループとの連携を望んでいる証拠だ。

慶一の参入は面白くないが、公私を区別しなければならない。これは絶対に逃せないチャンスだ。

鈴楠は目を伏せて微笑んだ。「藤原グループの実力をもってすれば、このプロジェクトを単独で成功させれるはず。それなのに、なぜ三者間での連携を選んだのですか?」

彼女は眉をひそめ、慶一に横目を送った。

「この業界は全く新しい分野で、誰も手をつけていません。藤原グループだけでリスクを背負うのは賢明ではないと思ったからです」

彼の低く冷たい声が響き、唇をほんの僅か緩めた。「佐藤グループにとって、巨立グループを選ぶのは賢明な洗濯ですよ。どうか良い関係を築けることを願っています」

慶一は長くて美しい手でワイングラスを掲げ、伸宏もそれに応じた。二人の男は鈴楠を待っている。

他に選択肢はなかった。鈴楠は冷たく微笑んで唇を軽く引き上げ、手を上げてグラスを持ち上げた。グラスが軽やかな音を立て、すべてが決まった。

気分は晴れなかったが、仕方がない。彼女の胸の中に何かが詰まったような不快感が残った。

伸宏はほっと息をついたようで、二人のぎこちない雰囲気を見て和ませようとした。

「周年記念のオープニングとして、お二人で最初のダンスを踊ってみませんか?それが私たちのパートナーシップを発表する最高の方法だと思います」

慶一が少し顔をしかめると、鈴楠は不自然に微笑んで耳元の髪をかきあげ、婉曲に断った。「すみません、私はダンスできません」

そう言うと、彼女は少し立ち止まり、ハイヒールを鳴らして、慶一の冷たく重い視線を無視してその場を去った。

伸宏は肩をすくめ、「ただのダンスなのに、それさえも断るとは。これからの連携はあまり気持ちよく進めなさそうですね。離婚をこんなに拙く終わらせた豪門のご主人様、藤原さんが初めてじゃないですか?」

慶一の顔色はわずかに暗くなり、彼女の揺れるドレスの後ろ姿を見つめる目はますます険しくなった。

本当にダンスがで
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