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第100話 スポンサーは誰?

「どういうこと?」

「誰かが実名で君を非難する記事を書いて、それがネットに出回ってる。しかも、内容がまるで本当みたいに巧妙に捏造されていて、どうしても削除できないんだ!」

美優は焦った様子で続けた。「早く確認して!」

鈴楠は電話を切ると、すぐにネットにアクセスした。案の定、彼女の名前はまたしてもホット検索の1位に上がっていた。

ため息をつき、記事を開くと、そこにはこんなことが書かれていた。

「鈴楠には権力もバックグラウンドもないのに、どうして上場企業の副社長になれたのか?」

「鈴楠は離婚した時に慰謝料を一銭ももらわなかったのに、どうしてカイエンを買えたのか?」

「鈴楠のスポンサーは誰だ?」

「続報を待て」

......などなど。

鈴楠や晋也、翔太、さらに意志やいくつかの取引先との写真が証拠としてネットに貼り付けられ、まるで彼女の私生活が乱れているかのように見せかけられていた。離婚も清々しいものではなく、すべてが最悪の形で描かれていた。

鈴楠は険しい表情をしながら、すぐに株式市場の状況を確認した。予想通り、佐藤グループの株価も影響を受け、数十パーセントも下落し、瞬く間に時価総額が数十億円も蒸発していた。

そんな時、電話が鳴った。鈴楠はすぐに出た。

「お兄ちゃん?」

晋也の声は少し疲れていた。「翔太は一緒にいるか?」

「うん、昨日遅く帰ってきたから、今うちにいるよ」

「それならいい。今日は外に出るな。会社にも来なくていい」

「ネットのこと、見たよ。すぐに悠也に連絡する」鈴楠は言った。彼女だけが狙われたら問題ないが、会社にまで影響が出るとなると、無視はできない。

これは確実に誰かが裏で操っている。

「悠也にはもう連絡した。彼も手が出せない。今回の誹謗中傷は、すべて金をもらったマーケティング会社が仕組んだものだ」

鈴楠は眉をひそめた。「誰が仕組んだのか、わかった?」

過去のことをここまで掘り返してまで、彼女の評判を地に落とそうとするのは、一体誰にとって得なのか?

晋也は冷笑しながら答えた。「そんな大それたことをできるのは、誰だと思う?」

鈴楠の胸が重くなった。「藤原慶一?」

昨日、苑里を蹴ったことで、彼が報復してきたのか?

「慶一本人ではない。ただ、藤原家が絡んでいるのは間違いない。藤原お爺様が直接命令を下したんだ」

晋也
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