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第161話

月宮のことを考えると、どうしても雅之というクズが頭に浮かんでしまう。あんな奴と友達でいられるんだから、月宮もロクなもんじゃないに決まってる。

かおるは冷たく笑って、「訴えたいなら勝手にどうぞ。私はもうお世話なんかしないから!」と言い放ち、電話を切って月宮の番号を即ブロックした。

カエデビルの中。

月宮は突然電話を切られたまま、困惑した表情を浮かべていた。

え、これって…八つ当たりされてんのか?

元は雅之が原因なのに、なんで俺が巻き込まれなければいけないんだ?

月宮は仕方なくため息をつき、すぐにかおるにメッセージを送ろうとしたが、彼女にブロックされていることに気づいた。

この女、ちょっとやりすぎだろ…

月宮は皮肉な笑みを浮かべ、別の電話番号を探し出してかけた。「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだ」と冷静に話した。

かおるはカエデビルで里香をずっと見守っていて、何かあったらどうしようと心配していた。そんな中、午後になって上司から電話がかかってきた。

「かおる、聞いたけど、月宮さんを殴ったって?」

上司の声は震えていた。

かおるは顔を曇らせ、「どうしてそれを知ってるんですか?」と尋ねた。

「こっちの質問を答えるんだ!月宮の部下が今日会社に来て、君に責任を取らせるって言ってたのよ。かおる、君は彼の世話をするために休暇を取ったんじゃなかった?今どこにいるの?30分以内に月宮のところに顔を出しなさい。それができないなら、もう会社に来なくていい!」

そう言って、上司は電話を切った。

かおるの顔には怒りが浮かんだ。

やっぱりあいつ、ろくでもない奴だ。

会社にまで言いつけるなんて!

「何かあったの?」

その時、里香の掠れた声が聞こえた。

かおるは急いで振り返ると、里香がドアの枠にもたれて立っていた。彼女は一日中寝ていたおかげで、体調は随分良くなっていたようだ。

「大丈夫、ただの迷惑電話だよ!」かおるはにっこりして里香に近づき、「今、体調はどう?」と尋ねた。

里香は「お腹が空いた」と答えた。

かおるは笑いながら、「じゃあ、何かおいしいもの頼もうね。ちょっと待ってて」と言った。

里香は微笑みながら水を飲みに行った。

かおるが出前を頼んだ後、「さっき月宮から電話あったの?」と里香が尋ねた。

かおるは驚いて、「どうしてわかったの?」
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