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第165話

里香は会社で孤立していた。

彼女はマツモトとのプロジェクトチームから外されてしまった。プロジェクトはすでに終盤に差し掛かっていて、特に里香の手が必要とされていなかったからだ。

里香はその通知を受けたとき、やっぱりなと思い、冷静な気持ちで日常の仕事をこなしていた。

ただ、周りの同僚たちも、里香が孤立していることを感じ取っていた。以前は里香に近づいていた人たちも、次々と距離を置き始めた。

それが逆に彼女にとっては、静かな時間をもたらしていた。

昼食の時、一人の配達員が大声で「小松里香さんの荷物です!」と叫んでやってきた。

何も買っていないのに、どこからこの荷物が来たのかと不思議に思いながらも、里香は手を伸ばして受け取った。それは小さな箱で、軽くて中で何かがガタガタと音を立てていた。

里香が差出人を確認すると、それは匿名だった。

少し躊躇したが、開けることはしなかった。

以前、誰かに尾行されて小道に引きずり込まれ、危うく命を落としかけたことがあった。それに加えて、その後血まみれの写真を送られてきた経験もあるため、彼女はこの不明な荷物を軽々しく開ける気にはなれなかった。

荷物を机の上に置き、里香は食堂に向かった。

しかし、まだ食べ終わらないうちに、一人の同僚が慌てて駆け寄ってきて、顔色を青ざめさせながら「小松さん、大変!早く戻って確認して!」と叫んだ。

里香は眉をひそめて、「何があったの?」と尋ねた。

同僚はまるで恐ろしいものを見たかのように、何も言えずに「うまく説明できない。君が戻った方がいいよ、本当に怖いから!」とだけ言った。

里香は急いで箸を置き、オフィスに戻った。

すると、彼女のデスクの周りに人が集まっていて、何人かは顔色が青ざめ、他の人は嫌悪感を露わにしていた。

「これは一体何だ?」

「こんなものが送られてくるなんて!」

「小松さんは一体何をしたんだ?どうしてこんな気持ち悪いものが送られてくるんだ?」

里香は周囲のざわめきを聞き、顔が真剣になった。

「どいて」

里香がそう言うと、みんなすぐに道を開け、彼女のデスクの上に置かれた開封された荷物の箱を見せた。

「小松さん、よく戻ってきてくれたね。誰が君に送ったものか確認して」

「本当に気持ち悪い
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