Share

新生の復讐者 - 母を守るための逆襲
新生の復讐者 - 母を守るための逆襲
Author: 兎月 悠

第1話

「お前の母親、どんな教育してんだ?先生を陥れるために、飛び降りまでやるなんて!」

「どうしてこんな卑劣で恥知らずな娘が俺の子供なんだ!」

父は私の頭を押さえつけて反省文を書かせようとした。

私は拒否し、彼は病室で私に向かって怒鳴り続けた。

私は震えているスマホを一瞥した。

「小林先生からの電話を取らなきゃ、小林先生に捨てられるよ」

父は私を睨みつけ、すぐに電話を取り、「ベイビー」とへつらうように声を張り上げた。

父が病室を出た瞬間、野村拓実が入ってきた。

私に七、八割似ているその顔には、得意げな笑みが浮かんでいる。

「いつも俺の悪口ばかり告げ口しやがって。ざまぁみろ!これが報いだ」

「一応、双子の姉なのに、俺にまったく違う顔だね」

「なんであんな女に似ちまうんだ?まったく不幸だぜ!」

拓実の口から出た「あの女」というのは、父の正妻、つまり私たちの母のことだ。

「小林先生はあの女とは違う。あの女は俺を叱るばかりだけど、小林先生は俺の味方だ」

「父さん、もっと早くあの女と離婚すべきだったんだよ。そしたら小林先生が俺の母さんになるんだ」

拓実は私の顔をつねりながら言った。

「その時は、父さんと一緒に幸せに暮らすんだ。お前とあの女はさっさと消え失せろ」

拓実の顔を見るだけで吐き気がする。

私は鼻で笑った。

「父さんに似たあんたの方が不幸でしょ?」

「その弱っちい体、腎臓がやられてるんじゃない?将来は愛人すら養えなくなるかもよ」

私がそう言った瞬間、ちょうど父が病室に入ってきた。

父は顔を青くして私に飛びかかろうとし、拓実も私を殴りかかろうとしていた。

私はベッドから飛び降りた。二人はからぶって隣の機械に激突した。

そのまま痛む足を引きずりながら、私は病院を後にした。

Related chapters

Latest chapter

DMCA.com Protection Status