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第9話

優子の言葉を利用しようと、私はわざとずっと前に使われなくなった銀行のカードを取り出し、偽の明細書を作成した。

彼らが一緒に過ごしたこの期間に、私の家からどれだけの財産が抜き取られたのか知りたかった。

そして、これらはすべて将来母と父が離婚裁判をする際の証拠として使える。

私は母を助けるために、父が優子に使ったお金をすべて取り返すつもりだ!

優子はずっと私をバカだと言っていたが、実際には彼女こそが大きな馬鹿だった。

優子に追いつかれるのを恐れ、できるだけ早く機材室へ逃げた。

入りたてに、外から鍵をかける音が聞こえた。

私はドアをノックした。

ドアの外からはおなじみの声が聞こえた。

「お前が、俺の手に入れた推薦枠を奪おうだなんて?させるかよ!」

拓実だった。

「ここでじっとしていろ!明日は週末だ、誰も助けに来ない。ここで死んだ方が、私と父も楽になるんじゃないか」

拓実の口笛の音は遠ざかり、外から他の人の足音も聞こえなくなった。

周りを見回すと、ここには窓一つもなく、換気口と悪臭を放つ運動器具が積まれているだけだった。

突然、胸が苦しくなり、胸を押さえて地面にしゃがみ込んだ。

前世のことを思い出した。父が私を台所に引っ張り込んで、優子がガスを締め、拓実がドアをロックした......

体が制御できずに震え始めた。

私は唇を強く噛み締めて、冷静さを保とうとした。

こんな風に倒れるわけにはいかないと分かっていた。

もともと優子に捕まるのを心配していて、証拠を送る機会がなかった。

今はたっぷりの時間がある。

彼らの不倫の証拠がすべてここに揃っている。

私はすべてをスマホで撮影した。
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