第11話

小林優子の携帯電話は、最終的に器材の点検を担当する先生に見つかった。

父と小林優子がそんなに焦っていたのは、あの嫌なものが他人に見つかるのを心配していたからに違いない。

携帯が見つかり、彼らも一時的に安心した。

しかし、父はまだ慎重だった。

彼は私の携帯をチェックしようとした。

しかし、眉をひそめて一度調べたが何も見つからなかった。

彼は非常に用心深く、手に持っていた骨董の携帯を見つめながら私に問いかけた。「いつからこんな古い携帯を使い始めたんだ？」

「お父さん、私にいたずらしてるの？」

私は無実を訴えるように父を見つめた。

「父さん、ずっとこの携帯を使ってたんだ。お父さんは気づかなかったんでしょ？」

「結局、私は役立たずの娘だ。父さんが私にあまりお金をかけないのも当然よ」

父は怒っていたが、私の言葉を聞いて少しは気が引けた様子だった。

彼は再び私の携帯を調べ、彼と小林優子に不利な証拠が何もないことを確認してから、ようやく安心した。

しかし、彼は知らない。私は証拠が入ったメモリーカードを前もって靴の中に隠していたのだ。

それでも父は別のことで頭を抱えていた。

母が自ら離婚を申し出たのだ。

父は、普段は感情や家庭において弱気な母が今回はこんなにも固くなるとは思っていなかった。

まだ資産の移転が終わっていなかったため、もちろん反対した。

手に入れていない財産のために、父は出張を口実に小林優子を一時的に片付けるしかなかった。

彼は良き夫のふりをして、母をなだめた。

私は父が家で猫かぶる様子を撮影し、小林優子に送った。

小林優子は自分が騙されたことに気づき、動揺した。

彼女は父に電話をかけ続け、父を困らせた。

彼女は父に脅迫し、もう会わなければ子供を流産すると言い渡した。

父も無視した。

なんなら、子供がいないわけでもないが、お金は失いたくなかったからだ。