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第10話

私は機材室に閉じ込められる時間はあまり長くはない。

放課後には先生がここを巡回に来ることを知っていたからだ。

だからわざと入り口に横たわり、先生に見つけてもらうつもりだった。

先生は私が気絶したと思い、すぐに救急車を呼び、病院へ運ばれた。

私は救急車の中でぐっすりと眠った。

父は私の体調を気にすることもせず、病院に到着するとすぐに詰め寄ってきた。

「どうして小林先生の携帯を盗んだんだ?」

「お前の母親はどうやってお前を教育したんだ?まるで泥棒に育てたみたいだな」

私は冷笑した。「これは全部、あなたに習ったことよ」

「お前たちが手を組んで、私の点数を盗み、推薦枠を奪ったんでしょう?それについて説明してもらおうじゃない」

父の顔色が変わり、偽りの態度で言った。「お前は俺の娘だ。私がやっていることは全部、お前のためなんだ」

「もうすでにもっと良い学校に連絡を取った。そしたら適当に試験を受けるだけで入学できる」

父が言ったその学校は、金持ちの妻を育てるための専門校だった。

「お前は女の子だ。どんなに勉強ができても、嫁ぐことには敵わない」

「父がこんなに一生懸命かけてくれたのに、他に何が欲しいんだ?」

「早く教えてくれ、小林先生の携帯を一体どこに捨てたんだ?」

私が答えないのを見て、父はまた怒り出そうとした。

その時、母がドアを押し開けて入ってきた。

彼女は顔色を悪くし、病床のそばに歩み寄り、私の前に立った。

「美和は私たちの娘よ。どうしてこんなことを彼女にするの?」

母の心が折れたような眼差しを見て、私は彼女がついに完全に絶望したことを理解した。
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