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第007話

藤木悠馬はイライラしながら頭を掻き、面倒くさそうに「チッ」と舌打ちをした。

「その日は用事があったから、お前に付き合う暇なんかなかったんだよ。だから適当に言っただけだろ?なんでそんなこと、いちいち覚えてるんだよ」

それに、あの陸川蓮なんかと、ずいぶん長いこと一緒にいたみたいだな」

彼は拳を握りしめ、不満げな表情を浮かべた。

「もうあいつに近づくな。今回の件がなかったら、あいつがそんなにお前に気があるなんて気づかなかったよ」

藤木悠馬が自分勝手にいろいろと言い続けるのを見て、私は思わず冷笑を漏らした。

「適当に言っただけ?

そんなわけないでしょ?」

私は冷ややかに藤木悠馬を見つめ、スマホを取り出して、さっき食事中にメールでダウンロードした動画を再生した。

再生バーが進むにつれ、藤木悠馬の体が次第に硬直していき、動画が終わる頃には、彼はようやく顔を上げ、無理に笑顔を作り出した。

「ダーリン、誰がこんな動画をお前に送ったんだ?

信じるなよ、あれは酔ってて、適当に言っただけなんだ」

私はスマホをしまい、落ち着いた表情で藤木悠馬を見つめた。

「藤木悠馬、知ってる?あの日、この動画を見たから、すぐにあなたに問い詰めようとして、それで途中で事故に遭ったの。

私たちはもう10年も知り合いだよね。私は子供の頃からずっとあなたのことが好きで、いつもあなたにくっついてた。だから、あなたが告白してくれた時、当然のように同じ大学に行って、ずっと一緒にいることを夢見てた」

私は自嘲気味に笑った。

「私が間違ってたよ。バカだった。あなたを、そして私たちの“関係”を信じすぎていた。

まさか、私の気持ちをあなたが桎梏だと思っているなんて、考えたこともなかった」

「違うんだ!」先ほどまでの不耐と苛立ちはすっかり消え去り、藤木悠馬は慌てて弁解し始めた。「志織、記憶が戻ったんだよね?昔のことを思い出したんだろ?」

「俺、本当にお前のことが好きなんだよ。忘れたのか?17歳の時、俺が告白したあの日、ずっとお前を守るって誓ったんだ」

私の目には、かすかな悲しみが映っていた。

もちろん、覚えている。17歳の藤木悠馬が、どれだけ私を好きだったか。

彼の告白を受け入れた時、少年の瞳に溢れるほどの喜びがあった。彼は嬉しそうに私を抱き上げ、その場で何度も回った。

ただ、あの頃
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