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第13話

かっこいい!

すごい威圧感!黒崎に抱かれた橋本月影は思わずお姉さんの彼氏をじろじろ見ていた。

黒崎と同じ年齢なのに、目の前の男からは非常に強い圧迫感を感じた。彼の黒いスーツはぴったりと体にフィットしていただけでなく、身長も高く見えた。

ハンサムな顔には深い目があり、一体何を考えていたかがわからなかった。

その場にいた誰でも氷川のことを意気軒高だと感じた。

殴られた黒崎を見た美咲は思わず笑い出した。

彼女の気持ちもよくなった。

黒崎拓也は殴り返そうとしたが。

その時、山田がボディガードを引き連れて駆けつけた。

ボディーガードが彼の肩をつかんで、そのまま放り投げた。「氷川さんに触らない」と大声で叫んだ。

殴られた黒崎は仕方なく、ただ氷川を睨みつけていた。

氷川は冷たい表情で言った。「美咲は今、僕の妻だ。彼女をいじめることを許さない」

それを聞いた美咲は、顔を真っ赤にして、手のひらに汗をかいた。

自分は彼の彼女になりたいと言わないのに。

それを聞いた黒崎拓也は自分のこぶしを強く握った。彼は、氷川の言ったことを全然信じなかった。

これは噓だろう!

彼は美咲に振り向いて言った。「あなた、結婚式には出席したから、もう帰りましょう」

氷川はそう言いながら美咲の腰に抱きついていた。しかし、抱きつかれた美咲は急に緊張してしまった。その緊張を感じ取った氷川はにっこり笑った。

在席のゲストは氷川颯真のことに興味を持った。

「この人は誰か」

「こんな派手なんだから、必ず普通な人ではない」

「勢いがたかいですね。ネットで調べてみて」

「…」

結婚式はまだ続いていたが、月影は皆の自分への関心が減ったことを明らかに感じていた。

新郎新婦が目上の人にお茶を差し上げていた時、黒崎隆弘の電話がかかってきた。

黒崎は電話に出たから、儀式も中止になってしまった。

「何?」彼の口調がとても冷ややかだった。

「黒崎さん、大変です。氷川グループはファッションショーへの投資金を全部引き揚げました」

「何だと!」と黒崎は低い声で叫んだ。その声を聞いた人々は全部びっくりした。

「黒崎さん、それは本当なことです。実には、昨日の夜、氷川グループは資金を引き揚げたが、拓也君はご結婚されることを考え、このことはお伝えしません。昨日の夜から、入試した株がすでに下落しました」とアシスタントは言い添えた。

それを聞いた黒崎隆弘はびっくりした。今回のファッションショーのために、彼は心血を注げた。ほぼ一年間がかかった。

氷川グループは世界の第一産業で、その権力者も世界の第一お金持ちだった。

氷川グループに賛助されたら、黒崎グループも東京の第一家族になれるかも。

しかし、今…

氷川グループは一体なぜ資金を引き揚げたのだろうか。「どのぐらい下落したか」と黒崎隆弘は諦めずに聞いた。

「もうすぐ株価が底を突きそうです」とアシスタントは絶望的な声で言った。「黒崎さん、早く会社に来てください。株主たちが株を売ろうとしています!」

一連の打撃により黒崎隆弘は立っていられず、ふらついたが、夫人の助けを借りてようやく心を落ち着けたことができた。

「隆弘、一体何が起こりましたの?」と拓也の母は心配そうに聞いた。

黒崎は目を閉じ、悲痛な表情で言った。「先に行くよ。会社で問題が起きた」

それを言った後、彼はその場にいたゲストを気にせず、慌てて立ち去った

それを見た橋本の親族はすでに不満になった。

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