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第17話

美咲は肩をすくめて、「どうせ私はもう結婚したんだから、信じるかどうかは母の勝手だ」と言った。

彼女は話しながら、氷川を引いてその場を離れようとした。

美奈子は怒りで美咲を引き戻した後、氷川を指さして怒鳴った。「お前は必ず女に頼る男に違いない!美咲と離婚しろ!」

氷川はもうそんな繰り返されたた言葉を聞きたくない、彼は美咲の手を引いてその場を離れた。「ただ百万円で」

美咲はお母さんの代わりに氷川に謝った。「ごめんね」

「美咲は、僕をどんな男だと思っているの?」と氷川は彼女に尋ねた。「女に頼る男だと思っているの?」

「私はそう思わない」と美咲は慌てて言った。「氷川さんは必ずそんな男ではない」

「でも、美咲はきっと僕が女に頼る男だと思ったことがあるでしょう」と氷川は美咲を見つめながら言った。

こんなに見つめられたから、美咲もますます緊張になり、軽く頭を縦に振った。

「おめでとう、正解だ」

そんな話を聞いた美咲は、がっかりした。「それが、本当なのか?」

なぜ失望していたのか、美咲もわからなかった。

彼女の悲しそうな顔を見た氷川は優しく美咲の頭を撫でながら、微笑んで言った。「冗談だよ。僕はそんな男ではないよ。安心して、仕事があるから」

その言葉を聞いた美咲はやっと笑顔を見せた。

彼女はほっとした。「よかった、氷川颯真はそんな男ではない」

代田住宅についたら、美咲は真っ先にキッチンへと向かった。

今日は忙しかったので、もうお腹がペコペコだった。

それを見た松本は緊張した声で言った。「奥様、すぐにご飯を作ります!」

「松本さん、大丈夫だよ。私に任せて」と美咲は親しげに松本に言った。

しかし、松本は彼女に苦労をかけたくなかった。

「松本さん、大丈夫だよ。美咲は料理が上手だから」と氷川は松本安子に言った。

「はい、わかりました」

「ちょっと待ってくださいね、すぐにご飯ができるから」美咲は優しく氷川に言った。

三十分後、ご飯が準備された。

三品の料理とスープを目にした氷川思わず微笑んだ。まるで家にいたような温かい気持ちが湧き上がった。

美咲が作ったのは家庭料理だ。それは、豚バラの醬油煮、ひき肉入り茄子、野菜とトマトスープがあった。でも、氷川はこのような家庭料理を久しぶりに口にしたことになった。

美咲は氷川にご飯を一杯よそった。「口に合いますか、私は辛口だ」

作る人は変わったけど、久しぶりの味だった。

氷川はうなずいて、ずっと食べていた。

美咲は大きな達成感を感じた。

氷川も辛口だね、それはよかった。

少なくとも、共通な話題ができた。

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