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第6話

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優子と連絡先を交換した後、不動産業者から電話がかかってきた。

家を買いたいという人が現れたという。

急いで戻り、買い手と価格の交渉を済ませた後、美雪にメッセージを送った。

荷物を早めにまとめて出て行くように通知したのだ。

すると、美雪からすぐに電話がかかってきた。

「裕司、どういうこと?家を売るなんて、どうして私に相談しないの?私と子供はどこに住むのよ?」

「とりあえず、しばらくお母さんのところに住めばいいだろう。よく子供を連れて実家に戻ってたじゃないか」

「ちょっと!裕司、正気なの?子供の学校はどうするの?」

確かに、美雪の言うことには一理ある。この古い家は有名な学校区のすぐ近くだし、かつては街の中心にも近い良い場所だった。ただ、今では街の東側が発展している。

当時、俺はその発展を見越して、会社に近い東部に新しい家を買おうとしていた。

今では、その辺りの不動産価格は何倍にもなっている。

「裕司、後で子供があなたを嫌うようになっても、私のせいにしないでよ!」

美雪は怒って電話を切った。

以前は仕事が忙しく、確かに子供が成長するにつれて、俺との関係が薄くなっていくのが一番怖かった。

でも今では、ふん......。

佐々木家は何年も俺を馬鹿にして遊んできたが、俺が少し反撃しただけで、彼らは動揺している。

佐々木父と佐々木母は息子を溺愛していて、あの家も彼の名義だった。
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