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第5話

クローゼットにはゴミが詰め込まれていた。

彼女たちを見つめると、返ってきたのは軽蔑のまなざしだけだった。

次の瞬間、冷たい水が頭からかけられ、バケツが私の頭にすっぽりと覆いかぶさる。

彼女たちはそのまま私に飛びかかり、殴りつけた。

「恨むなら、自分があのババアの娘であることを恨めよ」

どうやら、母がかわいがっていた生徒たちは、母を恨んでいたらしい。

なんだかおかしくなって笑ってしまった。母は彼女たちを実の娘のように扱っていたのに、結果はこれだ。

彼女たちは皆、甘やかされて育ったお嬢様ばかりで、苦労なんてしたことがない。

私とは違う。私は子供の頃から生き延びるために必死で、まるで野生児のようだった。

彼女たちは、私に太刀打ちできる相手じゃなかった。

私はそのまま彼女たちの上に馬乗りになり、反撃した。

だが、そこへ寮監がやってきて、私を捕まえた。

9、

母が慌てて駆けつけた。

部屋に入るなり、私に平手打ちを食らわせる。

「誰がうちの生徒に手を出していいと言った!」

髪が乱れて涙を浮かべた女生徒たちは、母の後ろに隠れながら訴える。

「諸谷先生、私たち、ただ清良ちゃんの荷物を片付けようとしてただけなのに……そしたら急に殴られて……」

そう言いながら泣き出した。

母は怒りで目を剥き、私を睨みつけた。

でも、私にはもう弁解する気にもならなかった。

昔、母の生徒が家に来て、金の指輪を盗んでいったことがあった。

私はそれを母に教えたが、返ってきたのは殴打だった。

母はこう言った。

「あんたが指輪を盗ったこと、私が知らないとでも思ったの?生徒のせいにしようだなんて、なんて卑怯な子!」

学校でクラスの金がなくなったときも、私は疑われた。

母はこう言った。

「こいつは昔、私の指輪を盗んだんだ。今度は金か!」

私は何度も何度も説明したが、母の目には私は常に罪人にしか映らなかった。

だから、もう説明する必要もない。

母は私の髪を引っ張り、彼女たちに謝罪するよう強要した。

「このまま殴り殺しても、絶対に謝らないから!」

子供の頃と同じ言葉を口にした。

母も、昔と同じように、私の腹を蹴った。

だが、今回は年をとったのか、私は倒れなかった。

母は手足で私を攻撃し続けた。

寮監が彼女を引き離すまで。

私は口元に笑みを浮かべた。
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