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死後、母が自ら私のゴシップを拡散した
死後、母が自ら私のゴシップを拡散した
著者: 十年

第1話

私は死んだ。

遺体が冷蔵庫の中で隠され、発見されるまでに40日もかかった。

裸で、顔は歪み、死ぬ前に非人道的な仕打ちを受けたことが明らかだった。

鮮明なモザイクなしの写真が次々と流出し、インターネットで大々的に拡散されていた。

生前と同じように、みんなの視線は私の体に集中し、好き勝手に評価していた。

「やっぱりエロ売りしてた女優だな。さすがだぜ」

「600万で一日中独占だって。金持ちは良いもの食ってるよな」

「女優だろうと、結局誰かに殺される運命なんだよ」

悪意に満ちたコメントが次々と流れていく。

震える体を抑えながら、私は目の前の中年女性を見つめた。

彼女の名前は菊池蘭子、私の母親だ。

しかし、今目の前に広がるこの無数のデマを前にしても、母は何の反応も見せず、ただ静かに携帯をいじり続けていた。

せいぜい眉をひそめ、転送しながら「恥ずかしい」とコメントをつけ、軽く「いいね」を押して携帯を閉じ、次の用事に移っただけだった。

そう、恥ずかしいことだった。

こんな娘を産んだことが、蘭子にとっての恥だった。

私が芸能界に入ってから、彼女が私に最も多く言った言葉は「恥をかかせるな」だった。

無名のガールズグループの端役から有名になった女優として、私の美しさや実力ではなく、炎上によって注目されるようになった。

みんなが私を「エロ売り女」として嘲笑していた。

そして、今度はこの奇妙な死に方で、私はまた注目を浴びた。

私の死への同情や哀れみは一切存在しなかった。

ただ、憶測を広げただけだった。

一体、ベッドの上でどんな苦痛を受けたら、こんな風に死ぬんだろう?

それとも、誰か大物の正妻に恨まれて、こんな悲劇になったのか?

誰も私を哀れんでいなかった。母親ですら。

携帯が鳴り、蘭子は私の妹からの電話を取った。

妹は最近ずっと大物女優になりたいと騒いでいた。

私がこんな醜態を晒したことで、蘭子はさらにそれを許さなくなった。

「彼女は体を使って上に行ったけど、里花にはできる?」

「遺産をしっかり受け継げばいいのよ」

「彼女は恥知らずだから、何でもできた。それで芸能界で生き残れたのよ。里花はあの子とは違うの。きれいなままで居てね」

母の声はまるで水が滴るかのように優しかった。

私は震える手を伸ばし、蘭子の手を握ろうとした。

「お願いだから、もうやめて」と言いたかった。

お母さん、私は体を売って上に行ったわけじゃないの。

あの露出の多い衣装は、芸能界では仕方がなかったんだ。着ないと契約違反で罰金を取られるんだ。

それに、私は誰も誘惑していない。

私は「エロ売り女」じゃないんだよ、お母さん。

でも、幽霊には声が出せない。ただ、母が妹に忠告し、慰めているのを見守るしかなかった。

妹がようやく頷いた時、母の口元にゆるやかな笑みが浮かび、「里花はいい子だね」と言った。

その親子愛に満ちた光景を見ながら、私はとうとう大粒の涙を流した。

今日は私が死んでから40日目。

誰にも愛されなかった23年間の終わり。

「あと1時間でステージに上がるから、みんな少し食べてね」

聞き覚えのある女性の声が響き、私はぱっと目を覚ました。

控え室では、アシスタントの優が低カロリーのお菓子を配っていた。

私の方に来ると、彼女は微笑んで言った。

「少しお腹に入れて、食べ終わったらステージ衣装に着替えてね。今夜の初デビュー、楽しみにしてるよ」

初デビュー?2019年のA.Mガールズの初公演?

まさか、私は全ネット炎上前日に戻った?

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