第23話

防衛のために使われる軽分子はまさに武器の王者であり、この武器を持つことは世界の頂点に立つことを意味していた。

軽分子と超音波を融合させた武器は、わずか2時間ほどで地球の半分を覆うことができた。また、波及した場所では、人々が痛みを感じることなく瞬時に死亡することができたのだ。

軽分子の開発を世界中の国々がこぞって追い求めていた。

ある国は、1グラムの軽分子に1000億円の価格を提示して申請しているほどだった。

リビングが静まり返った後、渡辺玲奈は茶器を持って戻ってきた。彼女は田中一郎が「シンムキカク」の資料を真剣に読んでいたのを見た。

渡辺玲奈は近づき、茶器を静かに置いた。両膝を茶卓の横に揃えて座り、丁寧にお茶を淹れ始めた。

彼女はピンセットを使い、順序よく、湯呑みを温め、缶を開け、茶葉を目覚めさせ、洗茶し、注ぎ、茶を振り分けていった。

その動作は優雅で上品であり、落ち着いた雰囲気を醸し出していたため、場の誰もがその美しい光景を壊すのをためらっていた。

田中一郎さえも、目線を資料から外し、彼女に視線を向けざるを得なかった。

彼女は両手で茶を差し出し、礼儀正しく言った。「大統領閣下、お茶をどうぞ」

大統領は満面の笑みで、精巧な茶碗を受け取り、感慨深げに言った。「これは友好国の平和国から贈られた上等な玉露茶だ。僕も田中将軍に一缶贈った。確かにこの茶は名高いが、少し渋い味がする」

渡辺玲奈は穏やかに微笑んで答えた。「今、一口飲んでみてください。それでも苦味がありますか？」

大統領は一口飲み、驚きの表情を浮かべた。「これは素晴らしいお茶だ。どうやら私たちは淹れ方を間違えていたようだ。奥様の手際の良さに感服した」

他の数名のリーダーたちもお茶を飲み、その味わいに感心していた。

渡辺玲奈は最後の一杯を田中一郎に差し出した。

田中一郎は資料を脇に置き、茶を受け取り、口元に運ぶと、ほのかな香りが漂ってきた。

一口飲むと、茶は鮮やかで甘く、清らかな香りが漂った。滑らかで冷ややかであり、何度も味わいたくなった。

彼はこの美味しいお茶に感動し、渡辺玲奈のお茶の淹れ方にも驚嘆した。

渡辺玲奈は再びそれぞれにお茶を注ぎ終えた後、客間を出ることにした。

彼女が去った後、大統領は興味深げに尋ねた。「田中将軍、あなたの奥様はどのような家柄のご令嬢ですか？彼女の気