第5話

「名前って何？古手川？」

私は眉を軽く寄せた。

「ええ、私たち知り合いですか？なぜそんなに興奮してるんですか？」

私の表情が偽りでないと気づき、園崎が少しずつ安心し始めた。ただの偶然だ。

「何でもない、昔の友達の名前に似てるから」

園崎のせいじゃない。理論上にもう死んでいるはずの臆病で貧しい太った女の子が、なんと美しくて裕福なお嬢様として生まれ変わるなんて、誰でも思いもよらないでしょう。

私の心に疑いの種が芽生え、こっそりと園崎の調査を始めた。

私は高橋と同じ選択科目を選んだが、授業の日にわざと遅刻するふりをした。

「先生、遅れちゃって、すみません。初めて学校に来るもんで、道がよくわからなくて、申し訳ありません！」

慌てたふりをして教室に飛び込んだ。入念に身なりを整えていた私は教室に入った瞬間、高橋も含むたくさんの感嘆の声が聞こえた。

「顔、マジでいいね」

先生は怒らずに私を励ましてから、座る場所を探すように言ってくれた。

躊躇した末に、私は高橋の隣に行くことにした。

「すみません、ここ空いてますか？座っても大丈夫ですか？」

高橋は一瞬驚いた後、私に大きな笑顔を見せた。相変わらず、人を不快にさせる笑顔だった。

「もちろん、座ってもいいよ」

座ったら、互いに自己紹介をし、連絡先も交換した。私が名前を言うと、高橋は表情を変えず、三年前のことをすっかり忘れている様子だ。

話の中では、高橋は私の家が裕福だと知って私を見る目がさらに熱くなった。

その後の数日間、高橋はよく私と連絡を取り合っていた。

それを見ていた園崎が、「お金持ちってほんと違うよね、男の人がたくさん寄ってくるんだから」だとちょっと皮肉っぽく言ってくれた。

私はその言葉を聞いて、何も言わずに淡々と笑っただけだった。

ある日、高橋は私に食事を誘って、寮の下に待っていてくれた。よく考えた末、同意した。

出かける前に、バッグにミニ護身用スタンガンを入れて、こっそりと私を守ってくれるボディーガードにメッセージを送った。

全てが済んでから、下に降りて、約束通り高橋とレストランへ行った。

途中で、高橋が何度も私の手を握ろうとしたけど、私は巧みに避けた。少し気持ち悪かった。

彼が私の腰に手を伸ばそうとしたその時、二ノ宮が現れた。

「高橋、この数日間全然会えなかったけど、どこ