第9話

その日、園崎は予想通りに高橋に連絡を取った。

彼女は高橋にお金を要求し、しなければ彼らの関係を暴露すると脅し、高橋との動画を私に見せると言った。

でも、ずっと前から全てを知っていた私は、園崎の携帯とパソコンには、遠隔監視システムが仕込まれていた。

「十億円の現金をくれ！さらに、高橋家の株式の30％も譲ってくれ、海外留学もさせて」と彼女は言った。

この言葉を聞いて、私は眉をひそめた。園崎が本当に大胆な発言をするものだ。いきなり高橋家の資産の三分の一を要求して、もし高橋が追い詰められたら、彼女自身を道連れることに恐れていないのか？

電話の向こうの高橋はしばらく沈黙した後、ゆっくりと「いいよ」と答えた。

その後、彼らは時間と場所を決め、直接取引し、契約を結ぶことになった。

高橋がこんなにあっさり同意したなんて？おかしい。彼に本当にそこまでの覚悟があるのでしょうか？

園崎は特に疑うこともなかった。何しろ以前彼らが取引した際、高橋も躊躇なくしたから。

園崎は嬉しそうに片付けを始め、私を見る目には軽蔑と嘲笑が微かに浮かんでいた。

翌日、園崎が外出した。彼女が高橋との取引に向かう予定でしたが、私は何かおかしいと感じがしたので、人を雇ってこっそり後をつけさせた。

彼らはとある農家レストランで待ち合わせだそうだ。

目的地に近づいたその時、突然、横の交差点から車が飛び出し、園崎に乗った車に向かってきた。

瞬く間に、園崎に乗った車が横転し、二回転してようやく止まった。しかし、衝突した車にはほとんど損傷がなかった。

幸い私たちはあまり近くなかったので、すぐに車をバックして、ある一軒家の角に停めることができた。

カメラを取り出し、遠くから撮影したところ、車のドアが開きた。高橋がゆっくりと車から降り、園崎の車の方へ歩いていき、彼女を車から引き出した。

園崎は大怪我で、抵抗する力ちっともなかった。

高橋は園崎の首を絞めつつ彼女の耳元で何かを囁いたら、手足を縛り車内に閉じ込めた。

その後、園崎の車にガソリンをかけ、火をつけて急いで逃げた。しばらくすると、車が爆発した。

園崎は車の中に死んでいた。

彼女が最後まで車から出てこなかった様子を見て、私は口元に微笑を浮かんだ。

いいね、他の方法を考える必要はなくなった。

この光景はすべて録画されていた。故意の殺人