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第3話

「おじいちゃんがどうして死んちゃったの?」と私は泣きながら聞いた。

目を赤くしていた園崎は、言葉に詰まりながら私を見つめて、何度も迷いながら、ついに口を開いた。

「古ちゃん、昨日の夜は大丈夫だった?全部私のせいだ、私があなたを止めていれば、そんなことにはならなかったのに!」

私は呆然としてしまった。なぜ園崎が昨夜のことを知ってるの?

「どうやって知ったの?」

私は枯れて声で尋ねた。

目を赤くしていた園崎は歯を食いしばりながら、おじいちゃんの携帯を取り出して何度かタップした後、私に渡してくれた。

「昨日、あなたからずっと連絡がなくて、帰ってこなかったから、おじいちゃんが心配して、私に電話してきた。で、私たち、あなたを探しに行った途中で、おじいちゃんが急にこの動画を受け取って、それを見たら心臓発作を起こしちゃって......」

スマホの中には見るに堪えない内容が目に刺さり、主人公は自分自身で、昨夜薬を飲まされた自分で、その動画を撮ったのは高橋と二ノ宮に違いない。

頭が痛くてたまらなくて、思わず叫んじゃた。

私の反応を見た園崎は、すぐに動画を止めて、心配するふりをして私を抱きしめた。

「大丈夫だよ、古ちゃん。もう大丈夫だ。君のせいじゃないって知ってるよ。私がここにいるからね……」

その日に何が起きたのかはわからないけど、唯一知っているのはたった数時間であの動画がもうネット上で広まっていたことだ。

私に向けられたメッセージがあちこちであふれ、ソーシャルメディアにもいろんな嫌なコメントが出てきた。知り合いも私を指差して、私のことを話していた。

世論のプレッシャーを感じて、私は川に飛び込んだ。

目が覚めたら、病院のベッドに横になっていた。

起き上がろうとしたら、全然力が入らなかった。

「じっとしてて、力がまだ回復してないから、先に何か食べてね」

声がした方を見ると、手入れが行き届いた中年の女性がいた。疲れた顔をしている彼女だが、とても優しく美しくて、その目はどこかで見たような気がした。

隣には目に血走っている、髪の半分が白くなっていた中年の男性が、目を赤くして私の方を見ている。

「あなたたちは誰?どうして私はここにいるの?」

「古ちゃん、ママだよ!」

!!?

話し合いをして、DNAレポートを確認した上、目の前にいる夫婦が私の一度も会ったことがない両親だと信じるようになった。

母さんによると、私が生まれた後、体が弱かったため保温箱に入れられていたそうだ。そしたら、人身売買業者が病院に忍び込み、生後二ヶ月ちょっとの私と他の二人の子供をれ去られたそうだ。追跡をし始めた時には、既に行方不明になっていた。

何年も探していたがなかなか見つからず、大学入試の健康診断でDNAデータベースと照合した結果、やっと成功した。遠くから私に会いに来てくれた両親は、ちょうどその時、私が川に飛び込むのを偶然目撃して、助けてくれた。

いいえ、川に飛び込んだわけじゃなくて、殺害って言うべきだろう。

全然自殺するつもりなんてなかった。おじいちゃんの葬式の準備をしていて、家を出たらいきなり誰かに気絶させられて、意識がなくなる直前に、その人の顔を見た。高橋だ。

彼らは事態を大きくするのを恐れ、そのために私を橋から投げ落とし、自殺したように見せかけた。

みんなは私が世論に耐えかねて自殺したと思っているけど、実はこれが殺人だって私だけが知っている。

「今、どれくらい時間が経ったの?」

私、聞いてみた。

私のことをじっと見ていたお母さんの目がまた赤くなった。

「もう二年も前の話だけど、もう少しで助けられないところだったよ」

両親が助けてくれていた私は長い間水に浸かっていたせいで、窒息しかけていたもう瀕死状態だったことをその時に気づいた。

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