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第11話

もう誰にも、私を好き勝手に傷つけることはできない。

「花火のこと、地震のこと……他のことも、あなたはこれから後悔の中で生きていけばいい」

だって、私は以前彼の無事を心から祈っていたのだから。

そう言って、私は耳から補聴器を外した。

潤一はそれを見て、動きを止め、私の手元にある補聴器をじっと見つめていた。

「言い忘れてたけど、地震の後、私は耳が聞こえなくなったんだ」

彼の顔が一瞬で真っ青になり、血の気が引いた。

彼はびっくりしたようだった。

手を伸ばして私の補聴器を取ろうとしたが、彼の手は止めどなく震えていた。

私は自分からそれを差し出した。

次の瞬間、彼の温かい涙は私の手の上に落ちてきた。

潤一が最後までその補聴器に触れることはなかった。

彼が限界になったかのようにその場に崩れ、目にはもう光が残っていなかった。

彼の口が動いて、何かを言っているのを見たが、一言も理解できなかった。

しばらくして、私が笑いながら言った。

「来年も、その次の年も、日々が良い日になりますように」

12.

裁判は終わった。

有島家族は崩壊し、関係者全員が判決を受けた。

潤一は5年の刑を受けた。

エミリーは見事にやり遂げた。

潤一は本当に名誉を失い、完全に破滅した。

刑務所に入る前に、彼が最後にもう一度私に会いたいと願ったが、私はそれを拒絶した。

その後、私はエミリーの家族と共に海外に行った。

しかし、私の計画は世界を旅することだった。

出発前の夜、エミリーと一緒にお酒を飲んだ。

酔っ払った彼女は、ほのかに赤く染まった顔が灯りの下で特に美しかった。

彼女はこう言った。

「こんな日本人、見たことがないわ。見た目は柔らかそうに見えるけど、その下に硬い鎧をまとっているね」

私はどうしてそんなことを言うのかを尋ねた。

エミリーは真剣で誠実な表情で、答えにならない言葉を言った。

「女性にとって、傷つくこと自体が怖いことではなく、怖いのは、そこから立ち上がれなくなることよ」

その瞬間、私は彼女の言葉を完全に理解した。

エミリーはグラスを掲げ、微笑んで言った。

「いい子ね。あなたの人生はこれから始まるんだから」
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