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第9話

一か月前のメッセージ:「今日は彼らの婚約の日だ。でも彼は私の隣で寝ている」

これを見た瞬間、私は急いで洗面所に駆け込み、洗面台に突っ伏して吐き続けた。

最後には全身が震え、涙が顔中に溢れた。

タオルで顔を拭きながら、吐き気をこらえてさらに読み進めた。

その後、ブロガーは更新が停止し、彼女のフォロワーたちは心配して彼女の近況を尋ねた。

それに対し、ブロガーは涙ながらにこう言った。

「私たちは世間に認められない恋愛をしているが、それが私たちを脅迫する理由にはならないと」

ブロガーの言葉によると、彼女の彼氏の婚約者は「杉木」という姓で、彼が別の人を愛していることを知りながらも、彼を手放さず、来年結婚しようとしている。

ブロガーは文章の最後にこう書いていた。

「私たちのような不幸なカップルは、親に引き裂かれ、関係のない人にも引き裂かれた。それでも、私たちは愛し合っていることが幸いだ」

この告白が公開されるや否や、すぐに大ヒットになった。

SNSで多くの人が彼女の言葉に感動し、次々とコメントした。

さらに、あるユーザーが様々な手がかりを元に、「杉木」という姓の婚約者を特定した。

それが私だった。

私の生活を日々記録している投稿には、非難のコメントが殺到した。

「不倫する奴は絶対に幸せになれない!」

「さっさと荷物をまとめて出て行け!」

「外に出たら車に轢かれて死んでしまえ!」

私は一つ一つのコメントを見て、体が震え、携帯も落としそうになった。

次の瞬間、画面に着信が表示された。

潤一からのメッセージだった。

心のどこかで、彼が何大事な話しを言うかと予感していた。

電話を取ると、彼は少しの間沈黙してから言った。

「美咲、訴訟を取り下げてくれ

君とは争いたくない」

11.

私はたくさんの書類をエミリーの前に置き、冷静な声で言った。

「彼の名誉を徹底的に壊したいの。頼むわ」

エミリーはこの言葉を聞いて、少し眉を上げた。

そして、少し不自然な日本語でこう答えた。

「任せて」

彼女に渡した書類には、これまで潤一が犯してきた違法行為の証拠があった。

彼の会社は脱税のために、私の名義で口座を開設し、7年間にわたり、数百億円の金額を送金していた。

有島グループは近年、違法なビジネスも展開しており、警察はずっとその証拠を掴めずにい
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